リバースモーゲージの仕組み、メリットとリスクを全解説。

リバースモーゲージの仕組みを解説 リバースモーゲージ

老後のお金のことで不安を感じない人は、かなり少ないのではないでしょうか?

そんな中で、10年ぐらい前から注目されているサービスが、家を担保にお金を借りられる「リバースモーゲージ」というサービスです。

 

しかし、そのメリットを書いている記事や金融機関のホームページは多いものの、そのリスクについて、きちんと解説しているものは少ないです。

というのも、リバースモーゲージのリスクは10年後、20年後にあらわれるものだからです。

 

しかし、他の国ならいざ知らず、日本はすでに人口が減少しています。ということは、土地が下がっていく可能性が高い。

土地を担保にお金を借りるサービスなのに、土地価格が下がる国に住んでいて、

そのリスクについて知らないなんてヤバイと思いませんか?

 

そこで、この記事では、リバースモーゲージのリスクについても、詳しく解説しました。

老後の資金計画を考える上での参考になれば幸いです。

リバースモーゲージの仕組み

リバースモーゲージをカンタンに説明すると、

「家を担保にお金を借りられて、死ぬまで返済の不安もなく住み続けられる」

というサービスになります。

 

<リバースモーゲージのイメージ>

リバースモーゲージの仕組み

老後の資金に不安のある人にとって、人気のサービスとなっています。

しかし、銀行も商売ですので、いくつかの条件があります。そのハードルがけっこう高いです。

 

1、リバースモーゲージの利用条件

(1)相続人(全員)の同意が必要

相続人の同意が必要

「死んだ後に売却すればいい」というものの、売却する人は相続人になりますので、事前に相続人(全員)からの同意をもらわなければいけません。

ほとんどの金融機関では、相続人全員の承諾書が必要になります。

 

と言っても、お子さんがお一人だけなら1人ですみますし、お子さんがいなくてご兄弟だけならば、そのご兄弟(または甥や姪)が対象になるだけですので、それほど多くありません。

 

主な金融機関の相続人についての条件
金融機関名相続人等についての条件
みずほ銀行相続人全員の承諾が必要
三井住友銀行相続人全員の承諾が必要
三井住友信託銀行相続人の同席での面談。遺言信託の設定(費用100万円超)
三菱UFJ銀行契約者が75才以上の場合は、法定相続人の代表者が同席して面談
東京スター銀行記載なし

相続人が誰か知りたい場合は、こちらの記事で詳しく解説しています。

リバースモーゲージで必要な推定相続人とは?
この記事では、リバースモーゲージを契約する際に求められる推定相続人の調べ方について解説します。 推定相続人とは、「仮に今すぐ相続が発生した場合に、法定相続人になる人」のことを指します。取り扱っている金融機関によっては、全員分の承諾書が...

 

(2)数十年後でも売れる不動産であること

その不動産は、数十年後でも売れるのか?

リバースモーゲージは、数十年後に売却できる物件であれば、利用することができます。

数十年後の売却ですので、基本的には土地に対して融資が行われます。

ですが、マンションの場合でも、数十年後でも資産価値の高そうな大都市の中心部の物件ならば、取り扱っている金融機関もあります。

 

(3)夫婦、または単身での利用であれば可能

夫婦または単身での利用のみ

契約者またはその配偶者までの死亡時に清算が条件なので、単身、または夫婦だけで住んでいる場合に利用することができます。

 

これらの条件をクリアした上であれば、リバースモーゲージはかなり魅力的なサービスとなります。そのメリットを以下にまとめました。

 

2、リバースモーゲージの3つのメリット

(1)家に住み続けながら、お金を借りられる

住みながらお金を借りられる

1番のメリットはこちらですね。

死ぬまで返済の義務がなく、住み続けられるので生活が変わる心配もありません。

 

(2)生活資金以外にも利用できる

旅行や趣味にも自由に使える

リバースモーゲージは、自治体が提供しているものもありますが、そちらは生活資金に限定されています。

しかし、金融機関の取り扱うリバースモーゲージは、使い道が自由に設定できるものが多く、旅行やリフォーム、老人ホームの一時金などにも使えます。

 

(3)利用時の収入条件が緩やか

収入が少なくても借りられる

2010年から貸金業への規制が厳しくなって、年収の3分の1までしか借りられなくなりました。

そのことから、年金生活の方がお金を借りることが難しくなっているわけですが、リバースモーゲージは自宅を担保としてお金を借りられるため、年収についての基準がゆるいのも特徴です。

 

だいたい年収120万円以上が基準となっていますので、国民年金の方にはハードルが高い可能性もあります。

その場合は、地域の社会福祉協議会のリバースモーゲージが利用できます。

こちらの記事でまとめていますので、ご参考ください。

社会福祉協議会のリバースモーゲージと民間サービスの違い
この記事では、社会福祉協議会が提供している「不動産担保型生活資金(リバースモーゲージ)」の貸付制度について解説します。 銀行や信金の「リバースモーゲージ」と仕組みは同じなのですが、民間のサービスは「相続人全員の同意が必要」「貸してくれ...

 

3、リバースモーゲージのリスク

このように魅力的なサービスなのですが、大きな落とし穴があります。それが、

① 10年20年単位での土地価格の下落リスク

② 死ぬまで借り続けることで、借金が雪だるま式に増えるリスク

の2つのリスクです。

 

この2つのリスクは、利用してすぐに実感できるわけではないため、他の記事でもあまり触れられていないようです。

そこで、ここからはこの2つのリスクについて詳しく解説します。

 

① 10年20年単位での土地価格の下落リスク

土地価格の下落リスク

リバースモーゲージでは、1〜3年に1回、不動産の評価額の更新を行います。

その際に、「借りているお金>不動産の評価額」となった場合には、下回った分のお金を返済する必要があるのです。

不動産評価が下回ったら一部返済

借りられるお金は、土地の評価額の50%程度ですので、すぐに下回ることはないでしょう。ですが、10年20年経っていく間には、土地価格も大きく動きます。

 

では具体的にどれぐらい動くのか、過去の公示地価(住宅地)を参考に見てみましょう。

平成10年を100とした時に、それから20年後の現在の土地価格を計算してみたところ、なんと全国平均で4割も下がっていました。

 

公示地価(住宅地)は、この20年間で全国平均で4割下がっている(100→60.2)

過去20年の公示地価の変化率

(参考:国土交通省 地価公示)

平成10年は、その前年に拓銀や山一証券が倒産して、大企業でも本格的なリストラが始まった時期です。

なので、「どん底の時期が含まれるため、これほど下がったのだ」と考えることも可能でしょう。

 

ですが、当時はまだ人口が増加していた時期でした。住宅の買い手は、今よりも多かったのです。

今後は人口減少の影響が広がっていきますので、土地価格の見通しは慎重に見ておかないと、10年後、20年後に一括返済の通知が来てビックリするかもしれません。

 

この点については、別の記事で詳しく解説していますので、ご興味のある方はこちらの記事も参考にしてください。

リバースモーゲージを使ってはいけない不動産の特徴とは?
リバースモーゲージは、数十年後に持ち家を売却することで成り立つサービスです。そのため、数十年間の金利、土地価格の下落リスクと付き合う必要があります。使ってはいけない不動産について解説します。

 

② 死ぬまで借り続けることで、借金が雪だるま式に膨らむリスク

金利上昇と複利効果のリスク

リバースモーゲージは、「死んだ後に自宅を売却して借金を清算すればいい」サービスですが、逆を言えば、「死ぬまで金利で借金が増え続ける」サービスとも言えます。

その金利は、金融機関によって違いますが、だいたい3%です(2018年7月現在)。

 

1,000万円借りれば、年間30万円。毎月金利を返済するタイプもありますが、金利を借入金に組み入れて死ぬまで返済しないタイプもあります。

金利の返済をしないタイプの場合には、その金利分にもさらに金利がかかるので、どんどん借入額が膨らんでいきます。

 

1000万円借りても、30年経つと倍以上に増える

金利と借入額の推移

 

②と③は、11年後に金利が上昇した場合で計算したものですが、30年で借りたお金の3倍前後にまで借金が増えていることがわかりますね。

 

これに加えて、土地価格が下落していけば、「借入金額>不動産の評価額」がいずれ上回ってしまい、差額分の返済をしなければいけません。

そのため、地域によっては、かなり借入額を押さえないと、生きている間に返済で苦しむ可能性があるのです。

 

結論

中年男性が考え中

以上のことから、リバースモーゲージは「審査さえ通れば、あとはOK!」という商品ではないんですね。

場合によっては一括返済を求められ、途中で自宅を手放すリスクもあるわけですからね。

 

特に最近は、都心部だけでなく地銀や信金もサービスを提供するようになり、全国的な広がりを見せています。

つまり、地価の下落リスクが大きい地域でもサービスを受けられるのです。

安易に借入を増やすと、忘れた頃に担保割れとなって一括返済を求められる人も増えるでしょう。利用するかどうかは、慎重に考えてくださいね。

 

1、代表的なサービス

このサービスのパイオニアは東京スター銀行です。都心部であればマンションも対象に入れてくれるので間口が広いサービスとなっています。

金融機関名
「商品名」
対象年齢対象地域資金使途融資額リンク先
東京スター銀行
「充実人生」
55才以上東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、京都、神戸自由500万〜1億円
みずほ銀行
「みずほプライムエイジ」
55才以上東京、神奈川、千葉、埼玉自由1000万〜2億円
三井住友銀行
「SMBCリバースモーゲージ」
60才以上東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、大阪、京都、神戸自由1000万〜2億円

 

なお、東京スター銀行の充実人生は、こちらで詳しく解説しています。

東京スター銀行の「充実人生」はどんな人にオススメか?
東京スター銀行の「充実人生」の特徴やメリット、デメリットについて解説しました。リバースモーゲージのパイオニアである充実人生に死角はないのでしょうか?検証します。

 

2、「いくらぐらい借りられるのか知りたい」そんな人はコチラ

リバースモーゲージは、大きく分けて2種類に分かれます。

①毎月利息を返済するタイプ(東京スター銀行とその提携行)

②利息もまとめて借入金に組み入れるタイプ(それ以外の銀行)

の2種類です。

 

①なら土地価格の6〜8割、②なら土地価格の3〜4割程度になるのですが、そもそも「土地価格がいくらなのか?」を知らなければ、借りられる金額もわかりませんよね。

 

こちらの一括査定を活用すれば、「いくらで売れるか?」がわかります。

「いくらで売れるか?」がわかれば、少ししか貸してくれない金融機関を見破れますし、売却を考える場合の参考にもなります。

 

机上査定ならば、メールや電話のやりとりで済むので、1度確認してみてはいかがでしょうか?

サービス名参加社数利用者数特徴 
ホームズ
1500420万人東証1部上場企業で安心
スマイスター
1400440万人郊外や地方の物件も査定可能
イエイ
1000400万人お断りサービスなどが充実

この点については、別記事でも詳しく解説しています。

リバースモーゲージでいくら借りれるのか?調べる方法
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3、「ちょっと違ったかも?」と思ったなら。自宅以外で老後資金を作る方法

ですが、「リバースモーゲージって思っていたのと違ったかも。」と思われた方もいるでしょう。

審査のハードルも高いし、土地価格の下落リスクや金利を考えると、思ったよりも借りられませんからね。

 

もし、あなたがそう考えているならば、自宅以外で老後資金を作る方法をまとめたこちらの記事が参考になるかもしれません。

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