保険料節約の判断基準、必要最低限の保障とは?

保険の仕組みと必要最低限の保障とは? 保険の見直し

「万が一旦那さんが死亡したら、ご家族が大変ですよね」

「お子さんのために学資保険は?」

「病気で入院が長引いたらお金かかりますよね?」

「ガンに備えておくべきではないでしょうか?」

などなど、保険の営業マンに話を聞くと、それっぽいことを言われますが、「本当に必要か?」と疑問に思いませんか?

しかも、必要ないと言い切ってしまうと「家族を大切にしていない」とか、変な後ろめたさを感じてしまうのが保険のヤッカイなところだと思うんです。テレビを見てても、「保険はお金で示す愛情表現」と思わせるようなCMがたくさんありますからね。

そこで、この記事では、そんな後ろめたさを吹き飛ばせるように、保険を利用することのメリットについて解説します。

この記事を読めば、変な後ろめたさや営業マンのセールストークに惑わされずに済んで、ムダに保険料を払う心配もなくなるはずです。

保険が機能する仕組み

まず最初に保険がどうやって機能しているのか、その仕組みを見てみましょう。

そもそも保険とは「相互扶助」の仕組みで成り立っています。「多くの人が、少しずつお金を出し合って、万が一困った人が出てきたら、助け合う」という仕組みです。

保険の仕組み

保険の仕組み

ということは、保険の契約者全体で見れば、払ったお金以下のものしか戻ってこないってことですよね。これが大前提としてあるわけです。

つまり、

・もらえる確率の低い保険ほど、多くのお金がもらえる

・もらえる確率の高い保険ほど、少しのお金しかもらえない

ということになります。

そして、その範囲内で少しずつ運営費を徴収して儲けているのが、保険会社の商売なわけです。

 

預かったお金で運用している

そして、もう1つが預かったお金を運用する仕組みです。

保険は目に見えないため、実感しにくい商品です。

保険金をもらうようなことがなければ、それはその人の人生にとって、とてもいいことなはずなのですが、保険料がムダになるのが嫌な人もいるわけです。

だから、払ったお金が戻ってくると、払っている間もムダじゃないんだと感じられるし、保険料分だけ元が取れたと感じてしまうんですよね。

 

ですが、日本の金利は、日銀の異次元緩和によってマイナス金利にまで落ち込んでしまいました。10年ものの国債の金利を見ても、1年間に0.04%しか金利がつきません。

金利がほとんどつかないので、運用には期待できない

10年国債の金利推移

しかも、生保各社は、保険金の支払いがきちんとできるようにソルベンシーマージン比率という指標を健全に保たなければいけません。つまり、為替リスクをとって運用することが難しいのです。

ということは、昔のように100払って120にして戻すという商売がやりにくくなっているのです。このことから、保険の「貯蓄性」は期待できない状況にあるんですね。

 

保険に求めることができる、最低限の保障とは?

そうなると、保険ができることは1つに絞られます。

「もらえる確率は少ないけれど、もし万が一何かあった場合には、すごく助かる保障」です。

具体的には、

1、定期の死亡保障

2、定期の収入保障

3、定期のがん保険

4、就業不能保険

になります。

 

1、定期の死亡保障

定期の死亡保障とは、いわゆる掛け捨ての保険で、「60歳までに死んだら○千万円もらえるけど、それ以降は保障が切れる」という内容の保険です。

定期保険のイメージ

昔の保険レディが「定期付き終身保険」をバンバン売っていた保険の一部分がコレです。「貯蓄のつもりで契約していたら、60歳を超えたら定期部分がなくなったことに気づいてダマされた」という話をタマに聞くので、あまりいいイメージがない人も多いかもしれません。

ですが、「子供が成人するまで」など、割り切って使う分には優れた保険と言えます。掛け捨てなので保険料が安くて済みますし、給料が上がりにくい中で、もし万が一があった場合に備えるにはピッタリでしょう。

 

具体例

30歳の既婚男性に子供が生まれたとしましょう。子供が成人になるまでは、もし自分に何かあったら大変なので、3,000万円の生命保険をかけたとします。

ライフネット生命を利用した場合、20年継続型で月額3,757円でした。20年間払い続ければ約90万円支払うことになります。

30才の死亡率は0.58%、50才でも2.64%なので、もらえる可能性が少ない分だけ、掛け金に対する保険金が大きくなっています。

 

2、定期の収入保障保険

1の定期保険をもっと実情に合わせたのが、こちらの収入保障保険です。例えば、子供が5才の頃と15才の頃では、万が一に必要なお金は変わりますよね。

5才だったら、奥さんもバタバタでパートにも行けない人もいるでしょうが、15才にもなれば子供に手もかからないのでパートや仕事に復帰する余裕も出てくるでしょうから。

収入保障保険のイメージ

収入保障保険は、上の図のように年々保障額が下がっていく仕組みになっていて、その分掛け金も普通の定期保険に比べて安く済ませることができます。

 

3、定期のがん保険

がんになると、どれぐらいの費用がかかるか調べてみたところ、自己負担額はだいたい20万円前後に収まりそうだとわかりました。

がんの治療費(入院時)

がんの治療費(入院時)

(参考:厚生労働省 医療給付実態調査_報告書_平成27年度 統計表 第3表)

がんの平均入院日数は、平均20日ぐらいなので、1ヶ月以内に退院するケースが大半です。

高額療養費制度と呼ばれる、月の医療費があまりに高くなった場合に、補填をしてくれる制度があるため、年収にもよりますが、月の自己負担額はだいたい9万円程度に収まる計算になります。

 

がん保険の保障内容は、例えば40才の男性の場合、月額3,000円前後の支払いで、がんと診断された場合に100万円の給付金と1日あたり1万円の入院保障がつきます。

1回の入院は約20日だとすると、合計で120万円ほど受け取れる保障が、がん保険というわけです。この120万円+αの保障が必要なのか?は、人によって判断が分かれますよね。

もちろん、その後は通院による治療になってきますし、仕事を休職するなどの可能性もありますよね。その場合の生活費などを考えると、100万円単位での保険金が出れば安心できる人もいるでしょう。

ですが、逆を言えば、数百万円単位の貯金があれば、一時的に休職などで収入が減っても乗り切ることは可能なはずです。その時点での貯蓄額との相談になるのではないでしょうか。

 

4、就業不能保険

ストレス性の病気や、がんや脳卒中、腎臓病などで仕事ができなくなってしまった場合に、一定期間の収入を保障してくれる保険がこちらの就業不能保険です。

取り扱っている保険会社によって基準が違うため、慎重に判断しなければいけませんが、条件にあった場合には100万円単位の保障が受けられるようになっています。

例えば、チューリッヒ生命のくらすプラスでは、毎月10万円を2〜10年受け取れるようになっています。合計240万円〜1200万円受け取れるわけですから、かなり保障としては手厚い内容と言えるでしょう。

入院期間が60日以上なければならないので、かなりの重度の障害の場合が該当しますが、それこそ「死なないけど、生活が大変」という状況での保障となっています。

 

結論

というわけで、「万が一が起こった場合に、すごく助かる」という保険を4つご紹介しました。医療保険は掛け金に対して保障額が少ないこと、終身保険や学資保険は低金利なので貯蓄機能が意味をなさないこと、などから必要最低限の保障とは言えないので外しました。

この20年ぐらいで、いろいろなライフスタイルに合わせた保険商品が生まれてきていますが、掛け金にみあった保障がなく、ただただ自分のお金を何十年と縛るだけの商品も増えています。

「運用先がないから、保険にしておいても別に構わない。減らないならそれでいい。」という人もいます。

「保険を通じて愛情表現をしたい」と無意識に思っている人もいます。

それはそれでいいと思いますが、限りあるお金を有効に活用したい人であれば、今回の記事を参考にしつつ、いらない保障を外したり、絞って契約をしてみてはいかがでしょうか?

 

 

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