佐賀県で土地価格が上がったエリアは?文教地区のブランド力が復活

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佐賀県の過去5年間の土地価格を見ると、住宅地で7.6% のマイナスでした。

福岡、長崎、そして熊本と近隣の県と比べて見ると、1番下落率の高い結果となりました。

 

佐賀県の公示地価の推移

(参考:国土交通省 地価公示)

 

2013年にオリンピックが東京で開催されることが決まってから、外国人観光客が増加しています。

そのため、北海道や沖縄、福岡も、外国人観光客数が増えた影響で、上昇しているようです。

博多港へのクルーズ船の入港客も過去最高を更新しているため、福岡県では住宅地でも3.2%の上昇をしています。

 

そう考えると、外国人観光客数があまり増えていない佐賀県では、あまり関係のない話なのかとガッカリするかもしれません。

ですが、佐賀県についても詳しく調べてみたところ、この5年間で5%以上プラスの地点が見つかりました。

決して、マイナスばかりの地域だけではないのです。

 

そこで、この記事では、過去30年間の佐賀県の土地価格を追いかけることで、

  • なぜ、佐賀県の住宅地は、18年連続で下げ続けているのか?
  • この5年間で上昇している不動産の特徴は何か?
  • 今後の佐賀県の土地価格がどうなるのか?

について、解説していきます。

 

不動産を買いたい人にも、売りたい人にも参考になるはずです。

 

1、これまでの佐賀県の土地価格の動き

(1)18年連続で土地価格が下落している理由とは?

1989年の大納会で、日経平均は38,915円の史上最高値をつけ、これが株式市場のピークとなりましたが、不動産市場はもう少しあとの1991年(平成3年)が全国的なピークでした。

 

佐賀県の公示地価(住宅地)はそれより6〜9年遅く、平成9〜12年(1997〜2000年)ごろまでがなだらかなピークでした。

 

 佐賀県の公示地価(住宅地)は、平成9〜12年ごろがピーク

佐賀県の過去30年間の土地価格の推移

(参考:国土交通省 地価公示)

 

それから、ほぼ18年間の下落が続いています。

 

その大きな理由は2つあります。

①家を建てる人が減った

②郊外に家を建てられるようになった

の2点です。

 

 土地価格が下がる理由①:家を建てる人が減った

家を建てる人が減れば、土地を欲しがる人が減りますので、土地価格が下がります。

佐賀県のこの30年間の土地価格と、持ち家(戸建て・マンション)の着工戸数を並べてみると、それまでは3,200〜3,300戸だった着工戸数が、1997年(平成9年)には、2,500戸まで減っていました。

 

家を建てる人が減って、土地価格も下落

佐賀県の新築の戸数の推移

(参考:国土交通省 地価公示 総務省統計局 建設着工統計)

 

では、なぜこれほど家を建てる人が減ってしまったのでしょうか?

理由は3つあります。

ⅰ 住宅ローン金利が下げ止まった

1996年ぐらいまでの住宅の着工件数を見ると、かなり勢いがありますよね。実はこの期間は、住宅ローンの金利がどんどん下がっていた時代だったんです。

 

平成3年〜7年で、一気に住宅ローン金利が下がった

住宅ローン金利の推移

(参考:住宅金融支援機構)

 

そのため、同じ3,000万円の家を買う場合でも、月々の支払いが一気に楽になりました。

 

35年返済とすると

・金利6%:月々17万円(全部で7,200万円)

・金利3%:月々11.5万(全部で4,800万円)

になるわけです。

 

しかも、1997年には消費税が5%に増税される予定でしたので、それまで買えなかった人が、一気に駆け込むように家を建てたのです。

そのため、それ以降の住宅を買う人が一気に減ったんですね。

 

ⅱ 年収が減った(311万円→275万円)

年収のピークは1998年になだらかに下げ始めました。公示地価も2000年がピークなので、だいたい同じタイミングです。

買いたい人は、97年の増税前に買っていましたし、その後の年収の低下によって、買える人が減ってしまったんですね。

 

平均年収が減って、住宅の着工件数も減ってしまった

佐賀県の平均年収の推移

(参考:国土交通省 地価公示 総務省 市町村税課税状況等の調)

 

ⅲ 働く人が減った(20年間で44.3万→41.0万人)

佐賀県の就業者数(仕事をしている人)を調べてみると、1995年に44万人いましたが、5年経つごとに1万人近くの就業者が減っていきました。

働く人が減ると、家を建てられる人も減りますよね。そのため、新築の戸数も減っていく一方となってしまったのです。

 

佐賀県の就業者数の推移

(参考:国土交通省 地価公示 国勢調査 人口の労働力状態,就業者の産業・職業)

 

 土地価格が下がる理由②:郊外に家を建てられるようになった

家を建てる人も、家が建つ件数もこのようにして減っていきましたが、実際に土地価格が下がり始めたのは2000年ごろです。時間的に少しズレがありますよね。

なぜ、すぐに下がらなかったのでしょうか?

その理由は、郊外に家を建てられるようになったのが、2000年ごろからだからです。

 

2000年の都市計画法の改正で、市街化調整区域でも家が建つようになった

2000年に都市計画法が改正されました。

この法律の改正によって、市街化調整区域(主に市街地から離れた農地)でも自治体がOKすれば、住宅地を作ることができるようになったのです。

 

農家の数がどんどん減ることで、土地が余ってきていた

販売農家数の推移

(参考:総務省統計局 農業構造動態調査)

 

ご覧のように、この30年で農業で生計を立てている農家の方は、半分以下に減ってしまいました。

そのため、農地を手放したい、宅地にしてアパートなどの大家をやりたい、という人が増えていたのです。

 

大店立地法で、ショッピングモールが簡単に建つようになった

ショッピングモールの駐車場

 

しかも、同じ2000年に大店立地法(大規模小売店舗立地法)も成立して、イオンモールなどの大きなショッピングモールがカンタンに建てられるようになりました。

 

・2000年9月:イオンモール佐賀大和

・2003年3月:モラージュ佐賀

・2006年12月:ゆめタウン佐賀

・2009年11月:フレスポ鳥栖

と、かなりの大規模なモールができるようになりました。

 

つまり、

・家を買う人が減った

・ショッピングセンターが増えて、郊外のどこに住んでも便利な生活ができるようになった

という理由から、市街地の土地に対する需要が減って、土地価格が下げ続けているんですね。

 

佐賀市の文教地区の周辺「佐賀市城内1-12-7」では、5年で7.5%の上昇

 

 

このように下げ続けている土地価格ですが、一部では上昇している地域もありました。

それが、上の地図の下の赤色、青色の家のマークの地点です。

 

赤色:佐賀市城内(7.5%)

黄色:佐賀市八幡小路(5.8%)

青色:佐賀市水ケ江(5.4%)

 

と、なかなかの上昇率となっています。

この辺りは、県内1の進学校の佐賀西高があり、文教地区として知られているエリアで、ブランドイメージもいい場所です。

 

2013年以降の日銀の量的緩和、円安政策などによって、製造業の業績が回復しましたし、外国人観光客が増えたことでビジネスが拡大している企業も増えています。

そのため、収入が上がった一部のファミリー世帯が、こういった教育環境のいい場所へ家を買いたいというニーズが増えたのでしょう。

 

同じような例として、愛媛県の松山市でも、県内2位の進学校である松山東高校の周辺の住宅地が、県内の住宅地で最も高い上昇率でした。

 

2、これから佐賀県の土地価格はどうなるのか?

このような状況にある佐賀県の土地価格ですが、今後はどうなるのでしょうか?

郊外に土地が建つ流れは、なかなか変わりませんし、この5年間で佐賀県の人口は2万人以上減っています。

おそらく、今後もこの流れは続くでしょう。

 

ただし、1点だけ、注意が必要なポイントがあります。それが「立地適正化計画」です。

(1)立地適正化計画で、中心部に公共サービスが集中

立地適正化計画とは、「住んで欲しい地域(居住誘導区域)」と「そうでない地域」にわけることで、今後の行政サービスや商業施設の建設に格差をつけようとする計画です。

 

これまで多くの都市では、市の中心部を魅力的にしていくことで、郊外に住んでいる人たちを市街地に呼び寄せようと働きかけてきました。

アメとムチで言えば、アメの政策ですね。

 

ですが、車での移動が基本の多くの自治体では、いくら中心地を再開発しても、郊外に人が流れてしまい、効果があまりありませんでした。

そこで、今後は、郊外のエリアの行政サービスを減らして不便にすることで、市街地に呼び寄せようと働きかけようとしているのです。

アメとムチで言えば、ムチの政策です。

 

例えば、

・バスの運行を減らす

・ニュータウンや、商業施設を建てる場合には届け出が必要

・福祉センターなどの公共施設の削減

などが進められていくのです。

 

 小城市の立地適正化計画のイメージ

小城市の立地適正化計画

(参考:小城市 立地適正化計画)

 

上の図は、小城市の立地適正化計画のイメージ図です。青色の線で囲まれたエリアが優先地域(居住誘導区域)になります。

黒い線が小城市の境界線ですから、かなり小さいエリアだけが指定されていることがわかりますね。

 

車での移動を基本とする若い世代はあまり困らないかもしれませんが、バスや車の運転がきつくなってくる高齢者にとっては、このエリア内に移住しないと何かと不便に感じるようになるかもしれません。

 

そのため、今後はこのエリア「内」とエリア「外」では、土地価格に大きな格差がつくのではないでしょうか。

この点については、こちらの記事で詳しく解説しましたので、ご参考ください。

「立地適正化計画」で売れなくなる不動産を見分ける方法
立地適正化計画の詳しい内容と、その影響について解説します。売れなくなる不動産を見分ける際の参考になるはずです。

 

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興味のある方は、こちらもご参考ください。

 

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