新潟県で土地価格が上がる不動産の特徴とは?今後はどうなる?

新潟県

新潟県のここ5年間の土地価格を見ると、住宅地で7.5%のマイナスとほぼ福井県と同じ下落率でした。

 

新潟県の公示地価の推移

(参考:国土交通省 地価公示)

 

石川県と富山県は、北陸新幹線の影響があるのでしょう。

新潟県と福井県は、そういった事業がなかったため、これほどの格差が生まれたのでしょうか。

 

ですが、新潟県の公示地価434地点を詳しく調べてみたところ、この5年間で4〜5%上昇している地点もいくつかありました。

決して、全ての地域で下落しているわけではないのです。

 

そこで、この記事では、過去30年間の新潟県の土地価格を追いかけることで、

  • なぜ、新潟県の住宅地は、21年連続で下げ続けているのか?
  • この5年間で上昇している不動産の特徴は何か?
  • 今後の新潟県の土地価格がどうなるのか?

について、解説していきます。

 

不動産を買いたい人にも、売りたい人にも参考になるはずです。

 

1、これまでの新潟県の土地価格の動き

(1)21年連続で土地価格が下落している理由とは?

バブルの真っ只中の1988年から、新潟県の公示地価の動きを見ていくと、意外なことに住宅地のピークは、平成バブルがはじけた9年後の平成9年(1997年)でした。

しかも、そこからの下落ペースは2000年ぐらいまでは緩やかでした。かなり安定していたんですね。

 

 新潟県の公示地価(住宅地)は、平成9年ごろがピーク

新潟県の過去30年の公示地価の推移

(参考:国土交通省 地価公示)

しかし、そこから新潟県の土地価格は、21年連続の下落を続けています。

その大きな理由は3つあります。

  • 不良債権処理と公共事業の削減で、不動産市場が崩壊
  • 家を建てる人が減った
  • 郊外に家を建てられるようになった

の3点です。

 

 土地価格が下がる理由①:不良債権処理と公共事業の削減で、不動産市場が崩壊

土地バブルの崩壊が崩壊して、金融機関が本格的に危なくなったのが1997〜1998年ごろでした。

 

経営破綻した金融機関
1997年・(11月)三洋証券

・(11月)北海道拓殖銀行

・(11月)山一證券

・(11月)徳陽シティ銀行

1998年・(10月)長銀

・(12月)日債銀

 

上に挙げた以外にも、多くの信金・信組が破綻しました。

これ以上の破綻を食い止めるために、現在の金融庁が作られ、貸出先を厳しく審査するようになりました。

 

その結果、経営が危ない企業に対してお金を貸すことを止める「貸しはがし」が起きて、余計に景気が悪化していきました。

 

金融機関の「貸しはがし」と土地価格の本格的な下落は、ほぼ同じタイミング

新潟県の公示地価と金融機関の貸出残高

(参考:日銀 時系列統計データ検索サイト)

 

さらに、2001年には小泉政権が誕生して、「構造改革」という名の下に、公共事業がどんどん減らされ、その流れは民主党政権にまで続きました。

 

その結果、新潟県の年間に1.4兆円以上あった行政投資額(公共事業など)が、6,000億円台にまで減ってしまったのです。

 

新潟県の行政投資額は、1.4兆円→6,000億円台まで激減

新潟県の行政投資額

(参考:国土交通省 地価公示 総務省統計局 行政投資実績)

 

グラフを見ると、ほとんど同じ動きをしてますよね。

金融機関の貸出残高は、2004年以降に持ち直していますが、公共事業はその後も減り続けており、土地価格の下落が止まらないのです。

 

 土地価格が下がる理由②:郊外に家が建てやすくなった

さらに、2000年ごろから、郊外に家がどんどん建てやすくなりました。

 

大店立地法で、ショッピングモールが簡単に建つようになった

ショッピングモールの駐車場

 

2000年に大店立地法(大規模小売店舗立地法)が成立して、イオンモールなどの大きなショッピングモールがカンタンに建てられるようになったのです。

  • 2005年4月:イオンモール新発田
  • 2007年4月:リバーサイド千秋
  • 2007年10月:イオンモール新潟南

などなど、新潟県でも多くのショッピングセンターが郊外にできていますよね。

そのため、わざわざ土地価格の高い市街地に家を建てる人が減ってきたのです。

 

 土地価格が下がる理由③:家を建てる人が減った

新潟県の新築の戸数を見てみると、1996年までは1.5万戸以上あった着工戸数も、この20年で 7,000戸台にまでほぼ半減してしまいました。

 

新潟県の新築の戸数

(参考:国土交通省 地価公示 総務省統計局 建設着工統計)

 

その理由は、家を建てられる人が減っているからです。

 

働く人が減った(20年間で132万→114万人)

新潟県の就業者数(仕事をしている人)を調べてみると、1995年に132万人いましたが、この20年間で114万人にまで減少しています。

働く人が減れば、家を建てる人も減りますから、着工数もどんどん減っていきました。

 

新潟県の就業者数

(参考:国土交通省 地価公示 国勢調査 人口の労働力状態,就業者の産業・職業)

 

また、年代別の人口を見ると、家を買う年代の30代人口は、2007年ごろまで増えていますが、2010年代に入ってからは、かなり急激な減少を見せています。

わずか10年でほぼ2割減の25万人にまで減ってしまったのです。

 

家を買う世代の30代人口は、この10年で32万人→25万人まで減少

新潟県の三十代人口

(参考:総務省統計局 建設着工統計 総務省 住民基本台帳に基づく人口))

 

そのため、大都市圏ではアベノミクス効果で盛り上がっていても、新潟県の住宅の着工戸数も増えない状況となっています。

 

つまり、

  • 家を建てる人が減っている
  • ショッピングセンターが増えて、郊外のどこに住んでも便利な生活ができるようになった

という理由から、市街地の土地に対する需要が減って、土地価格が下げ続ける傾向にあったわけですね。

 

2、これから新潟市がやろうとしていること

このように新潟県全体で見ると、あまり期待ができない状況にあるわけですが、もう少し地域を絞って詳しく見てみると、この5年間でも土地価格が上昇している地域がありました。

 

(1)新潟市を中心とした再開発で、中央区の人口が増加

新潟市では、2016年から新潟駅前から万代地区にかけての再開発を進めています。

駅の南側はすでにかなり整備されていますが、さらに線路を持ち上げて高架下を通れるようにすることで、万代地区への流れをスムーズにしようともしています。

 

新潟駅周辺の開発計画が活発

新潟市の再開発状況

(参考:新潟市 市街地再開発等現況図)

 

さらに駅近のマンションが多く建ち、商業施設やビルも新しくなっているためか、中央区に住む人が増えています。

 

戸建てですと、鳥屋野潟の西側に新興住宅地が生まれており、そこに多くの人が移り住んでいます。

駅から遠いので車が必要ですが、郊外のショッピングセンターも利用できて、新潟駅にも近いという利便性の高さから人気が出ているのです。

 

(2)市区町村別の土地価格、人口の変化

では、それ以外の地域はどうなっているでしょうか。

この5年間の人口と、土地価格の変化をまとめてみました。

 

 新潟県の過去5年間の人口の変化率

新潟県の市区町村別の人口変化率

(参考:新潟県 市区町村別推計人口)

 

過去5年間で人口が増加しているのは、新潟市中央区、西区、そして聖籠町の3地区だけでした。

 

 過去5年間の土地価格の変化率

新潟県の市区町村別の公示地価変化率

(参考:国土交通省 地価公示)

 

そして、土地価格も中央区と西区だけが上昇している状況です。

新潟市に人が集中している状況なんですね。

 

3、これから新潟県の不動産はどうなるのか?

このような状況の中で、新潟県の今後の土地価格に影響を与える要素が2つあります。

それは、

  • 新潟市の再開発事業
  • 2025年問題で公共事業がさらに減る

の2点です。

 

(1)新潟市は、再開発で活性化するのか?

富山市が2000年からコンパクトシティ構想をはじめましたが、その効果は賛否両論です。駅前を中心とした市街地が、あまり活性化されていないからです。

 

しかし、九州の駅前開発を見ると、かなりうまく行っているように見えます。

JR九州が運営している駅ビル商業施設の「アミュプラザ」が、福岡だけでなく、長崎、鹿児島、大分でも過去最高の売上を達成しているからです。

 

アミュプラザ鹿児島は、8期連続の最高実績を更新

アミュプラザ鹿児島の売上推移

(参考:JR九州ニュースリリース *PDF)

 

その理由はシンプルです。

イオンモールよりも魅力的な商業施設を駅前に作っているからです。

 

具体的には、

  1. 店舗数が多い(150〜250店舗)
  2. ほぼ毎日、何かしらのイベントをやっている
  3. 若い女性にウケるようなオシャレな店舗づくり

の3点によって、常にお客さんを呼べるような仕組みができているのです。

 

一方で新潟市では、2020年に万代地区にある大和百貨店跡地に商業ビルを建てる予定です。ですが、市役所の機能が一部入るということですので、おそらくテナントが集まっていないのではないでしょうか。

(参考:日経新聞 新潟の大和百貨店跡地、12階建て複合ビルに )

 

そう考えると、新潟市の再開発は、規模的にまだ足りないのかもしれません。

駅ビルに大規模な商業施設が建つぐらいの計画が出てきた頃から、本格的に土地価格も上昇するのではないでしょうか。

 

また、それ以外の自治体では、そこまでの人口もなければ予算もないため、新潟市への一極集中が進むしかないでしょう。

 

(2)2025年問題で、公共事業費がさらに減る

2025年問題とは、

「人口の多い団塊の世代が、75才以上の後期高齢者になることで、社会保障費が一気に増えて国の予算を圧迫する」

という問題です。

 

日本の社会保障費は、2025年に121.3→140.4兆円へと増える

日本の社会保障費の推移

(出典:2040年を見据えた社会保障の将来見通し(内閣府) 社会保障費用統計(国立人口問題研究所)

 

これまでも、社会保障費が増加してきたことが理由で、公共事業がどんどん削られてきました。

その社会保障費がさらに増えるわけですから、新潟県の公共事業は、今後さらに減っていくことになるでしょう。

 

社会保障費の増加に合わせて、公共事業も削られてきた

社会保障費と行政投資額の推移

(参考:国立社会保障・人口問題研究所 総務省統計局 行政投資実績)

 

そのため、公共事業に依存している地域では、今以上に住みにくくなるでしょう。土地価格の下落傾向も続くのではないでしょうか。

 

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