長岡京市の土地価格は、東京オリンピック後にどうなるのか?

京都府

今年3月27日に発表された地価公示によると、全国平均で0.2%上昇し、地方へ地価上昇の波が広がっているような印象を受けました。

(参考:地方圏の商業地上昇 公示地価、26年ぶり 朝日新聞デジタル)

そうなると、「長岡京市もその恩恵を受けてるのかな?」と気になりますよね。

 

そこで、この記事では、

①長岡京市の土地価格が5年間で1.1%上昇した理由

②これから長岡京市の土地価格はどうなるのか?

という2点について解説していきたいと思います。

この5年間の公示地価の動き

長岡京市全体ではこの5年間で1.3%の下落をしています。しかし、詳しく見ると、

  • 市の中心駅に近い長岡京駅〜長岡天神駅:上昇している
  • 駅から遠い地区:下落傾向

という長岡京駅〜長岡天神駅を中心に安定し、そこから離れるほどに弱い傾向にありました。

(1)長岡京駅の5年間の推移

長岡京市の公示地価の推移

 

(出典:国土数値情報ダウンロードサービス)

 

(2)上昇、下落地点のランキング上位

上昇率1位、2位の地点は、長岡京駅と長岡天神駅に挟まれた市役所周辺の開田です。

<上昇率1位の開田地区の周辺地図>

 

反対に下落率1位は、駅から離れた住宅地の高台2丁目でした。

<下落率1位の高台地区の周辺地図>

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ランキング住居表示H30価格5年間変化率(H30÷H25)
上昇率1位京都府 長岡京市開田1-19-20260000107.4%
上昇率2位京都府 長岡京市開田4-15-2232000103.6%
上昇率3位京都府 長岡京市天神4-4-15219000103.3%
上昇率4位京都府 長岡京市長岡2-26-16214000102.9%
上昇率5位京都府 長岡京市調子1-11-7175000102.9%
下落率1位京都府 長岡京市高台2丁目8番1114100096.6%
下落率2位京都府 長岡京市梅が丘1丁目30番20600099.0%
下落率3位京都府 長岡京市城の里19番517000099.4%

 

(3)駅別の5年間の変化率

駅からの距離は、1分=80mで計算しています。

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駅名/駅距離5分以内10分以内15分以内20分以内25分以内30分以内30分以上平均
西向日100%100%
西山天王山103%97%100%
長岡天神103%104%100%100%100%102%
長岡京99%99%
長岡京103%104%100%99%100%101%

駅別に見ると、駅からの距離が遠いほど、地価が弱い傾向にあることがわかります。

駅からの利便性で地価が影響を受けているんですね。

 

長岡京市の地価は、これからどうなる?

では、長岡京市の地価はこれからどうなるのでしょうか?

この5年間はほぼ横ばいでしたが、今後は二極化していく可能性が高いと思います。

その理由は3つあります。

 

<二極化が進む理由>

  1. 人口が減っていきそう
  2. 家が余っているのに、さらに家が建つから
  3. 公的サービスが削られて、不便なところが増えるから

です。順に説明していきましょう。

 

1、人口が減っていきそう

長岡京市の人口は、この5年で1.0%増加して、80,424人(H29現在)。

しかし、そのほとんどが奥海印寺地区での増加です。2,000人以上増えており、それ以外の地区では減少しています。

長岡京市の人口推移

<人口の推移>

*スマホで見る場合は、横にスライドできます

 H24.10H25.10H26.10H27.10H28.10H29.10
長岡京市795947989079743800908021380424
京都府262826826216582615514261035326057312599313
前年比_長岡京市296-147347123211

(出典:京都府 平成28年京都府統計書)

若い人が減っている

戸建て住宅をを購入する平均年齢は39歳と言われています。

長岡京市の40歳以下の人口も急激に減っており、40〜44歳と比べて20代はほぼ半減しています。10年後には今よりも確実に買い手が減っていることでしょう。

 

長岡京市の年齢別人口

(出典:平成27年 国勢調査)

 

空き家率も上昇傾向

長岡京市の空き家率9.8%は、全国平均の13.5%に比べて低いですが、徐々に増加しています。

 

長岡京市の空き家率

<空き家数と空き家率の推移>

 総住戸数空き家数空き家率
198827190277010.2%
19932740017206.3%
19983064028509.3%
200332000322010.1%
20083424030208.8%
20133536034809.8%

(出典:住宅・土地統計調査)

このように、人口が減り始め、家を買う若い人も減り、空き家も増えて家も余っている状況なのです。

 

2、家が余っているのに、なぜさらに家が建つのか?

2022年問題という言葉をご存知でしょうか?

「都市部にある農地(生産緑地)が宅地に変わることで、家賃や地価が下落する」

と言われている問題です。

長岡京市は京都市や大阪へのアクセスもよく、ベッドタウンとして栄えてきましたが、2022年問題で大きな影響を受ける可能性があります。

 

→このような農地が宅地に変わっていきます。約3,989万坪、戸建てで約133万戸分にもなります。

 

長岡京市には64.7ヘクタールもの生産緑地があります。

狭い長岡京市でこれだけの生産緑地は、かなりの影響がありそうですが、さらに厄介なことに、お隣の京都市の生産緑地の面積は、全国1位です。

その広さは約600ヘクタール。東本願寺65個分ですから、かなりの広さと言えます。30坪の戸建てだと約6万戸になります。

また、大阪府も東京に次いで2番目に生産緑地が多い地域であり、2つの地域に挟まれているのが長岡京市なのです。

(出典:都市計画区域、市街化区域、地域地区の決定状況)

 

現在、人口が増えている奥海印寺地区にも多くの農地が残っていますが、この農地もいずれ宅地へと変わるでしょう。

問題は、そこに家が建っても買ってくれる人が、年々減っていくことなのです。

 

しかも、京都市の家賃や地価が下がれば、京都市に人は今以上に流れやすくなります。

今までは京都市にも大阪にも通勤に便利で車も持てる奥海印寺地区が人気でしたが、このような地域が、京都市や大阪の諸都市でもたくさん生まれるのです。

今後は、少なくなっている買い手を各都市が奪い合うことになります。地価は全体的に下落していくことになるでしょう。

 

3、自治体のお金が足りなくなって、不便なところが増える理由

2025年問題という言葉も聞きますよね。

「団塊の世代が75才以上になることで、医療や介護などの社会保障費が20兆円以上増え、行政サービスが削られる。」

ことを指します。

 

<社会保障費の推移と将来の予想>

社会保障費の推移と予想

(出典:2040年を見据えた社会保障の将来見通し(内閣府) 社会保障費用統計(国立人口問題研究所)

 

長岡京市の社会保障費は、一般会計(福祉関係)で約112億円。特別会計(医療・介護関係)で約160億円で合計272億円ぐらいあります。

16%増えるとしたら、44億円増えて、316億円にまで膨れあがるのです。

 

<長岡京市の社会保障費の内訳>

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区分勘定科目歳出額(億円)
一般会計民生費111.8
特別会計国民健康保険事業89.1
後期高齢者医療事業11.3
介護保険事業60.1
社会保障費合計272.3

(出典:長岡京市 平成28年度決算)

 

これから44億円も増えるとなれば、今後どうなるかわかりません。

消費税、医療費・介護費の自己負担率の引き上げはもちろんですが、公的サービスの運営費用の削減にも取り組むでしょう。

つまりは、利用者の少ない施設を統合していくはずです。

そうなると、利用者の少ない周辺部では、より不便になっていきます。地価は下がっていく可能性が高まるでしょう。

 

どこが残り、どこが削られるのか?

 

では、具体的にどの地域が残り、どの地域が不便になっていくのでしょうか?

その参考になるのが、現在国や自治体が進めている「コンパクトシティ」政策です。

「行政サービスの範囲を狭くすることで、お金を節約しよう。」としているのです。

 

具体的には「立地適正化計画」を作ることで、

  • 街の中心部:商業施設を建てたら税金を優遇、公共サービスも手厚く
  • それ以外の場所:商業施設を建てたいなら届け出が必要。やりにくくさせる

という方向へと誘導しようとしています。

 

長岡京市の立地適正化計画の内容

長岡京市は、すでに立地適正化計画を発表しています。

長岡京市の立地適正化計画

では、具体的に何が書かれているのか、見ていきましょう。

 

<長岡京市の立地適正化計画図>

長岡京市の立地適正化計画図

 

立地適正化計画では、

「①都市誘導区域(赤と黄色のアミかけ枠内)」

「②居住誘導区域(黄色の枠内)」

を設定します。この2つのエリアに、公共施設だけでなく、銀行やスーパーなどの施設を誘導するように税金を優遇していくのです。

 

長岡京市では、この「都市誘導区域」に今後15年間で、病院、図書館、介護施設、銀行、スーパー、各種学校などの機能を移動させようという計画中です。

長い目で見た計画ではありますが、2025年問題で社会保障費が足りなくなった場合に、どの地域のサービスを残し、どこを削るかの目安になると思います。

 

最後に:もし、あなたの家や土地が気になるなら

というわけで、この記事の結論は、

「2022年問題で京都市を含め、多くの都市で宅地やアパートが増えるため、郊外の宅地需要が減っていく。

それに加えて、人口の減少、公共サービスの削減などで、駅から離れている地区の地価の下落が予想される」

ということでした。

立地にもよりますが、売りたい人は早めに情報収拾しておいた方がいいでしょうし、買いたい人はもう少し待った方がいいかもしれません。

2019年10月に消費税が増税になりますが、それまでに買おうと思うと、逆に高値で掴んでしまう可能性が高いので注意が必要ですね。

 

家や土地の現状を調べる2つの方法

もし、あなたの家や土地の現状が気になるのならば、2つの選択肢があります。

  1. 不動産会社に査定を依頼する
  2. ネットのサービスを活用する

の2つです。

不動産会社に査定を依頼することはハードルが高いと感じるかもしれませんが、一括査定サービスを活用すれば簡単にできます。

こちらの記事で一括査定サービスのメリットや選び方を解説していますので、興味のある方は1度確認してみてください。

→「不動産の価格を調べるなら、一括査定が1番優れている理由」

 

また、一括査定を使いたくない方は、ネット上にあるいろいろなサイトを活用することで、ある程度の情報を手に入れることができます。

情報の精度は一括査定に劣りますが、

・売るに売れない不動産になっていないか?まだ大丈夫か?

・いくらで売れそうか?(精度は低いです)

・これから売れない不動産になってしまいそうか?

と言った情報を調べることができます。

その調べ方をこちらの記事にまとめましたので、ご興味のある方はこちらも参考にしてみてください。

→「10分でできる『あなたの不動産』を自分で査定する方法」

 

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