三重県で土地価格が上がる不動産の特徴とは?今後はどうなる?

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三重県のここ5年間の土地価格を見ると、住宅地で7.7%のマイナスとかなり大きな下落率でした。

お隣の愛知県が4%のプラスであることを考えると、まるでその影響を受けていないように見えてきます。

 

三重県の公示地価の推移

(参考:国土交通省 地価公示)

 

なぜ、三重県だけが、これほど大きく下げているのでしょうか?

 

そこで、この記事では、過去30年間の三重県の土地価格を追いかけることで、

  • なぜ、三重県の住宅地は、26年連続で下げ続けているのか?
  • この5年間で上昇している不動産の特徴は何か?
  • 今後の三重県の土地価格がどうなるのか?

について、解説していきます。

 

不動産を買いたい人にも、売りたい人にも参考になるはずです。

 

1、これまでの三重県の土地価格の動き

(1)26年連続で土地価格が下落している理由とは?

三重県の土地価格のピークは、1992年(平成4年)ですが、全国平均に比べて下げ方が急激ではなく、本格的な下落は1999年〜2000年ごろからでした。

 

 三重県の公示地価(住宅地)は、平成4年ごろがピーク

三重県の過去30年間の公示地価の推移

(参考:国土交通省 地価公示)

 

しかし、26年連続の下落を続け、全国の土地価格が下げ止まってきたこの5年間も下げ続けています。

 

その大きな理由は3つあります。

  • 不良債権処理と公共事業の削減で、不動産市場が崩壊
  • 家を建てる人が減った
  • 郊外に家を建てられるようになった

の3点です。

 

 土地価格が下がる理由①:不良債権処理と公共事業の削減で、不動産市場が崩壊

土地バブルの崩壊が崩壊して、金融機関が本格的に危なくなったのが1997〜1998年ごろでした。

 

経営破綻した金融機関
1997年・(11月)三洋証券

・(11月)北海道拓殖銀行

・(11月)山一證券

・(11月)徳陽シティ銀行

1998年・(10月)長銀

・(12月)日債銀

 

三重県内でも信用組合三重商銀、三重県信用組合、長島信用金庫などが破綻しました。

そのため、これ以上の破綻を食い止めるために、現在の金融庁が作られ、貸出先を厳しく審査するようになりました。

 

その結果、経営が危ない企業に対してお金を貸すことを止める「貸しはがし」が起きて、余計に景気が悪化していきました。

 

金融機関の「貸しはがし」によって、三重県の土地価格も本格的に下落

三重県の公示地価と貸出残高

(参考:日銀 時系列統計データ検索サイト)

 

さらに、2001年には小泉政権が誕生して、「構造改革」という名の下に、公共事業がどんどん減らされ、その流れは民主党政権にまで続きました。

 

その結果、三重県の年間に7,000億円以上あった行政投資額(公共事業など)が、なんと3,000億円台にまで減ってしまったのです。

 

三重県の行政投資額は、7,000億円→3,000億円台まで激減

三重県の行政投資額

(参考:国土交通省 地価公示 総務省統計局 行政投資実績)

 

金融機関の貸し剝がしは、2003年で終わりましたが、行政投資の減額はその後も続きました。

そのため、公共事業が中心の地方の自治体では、その後も土地価格の下落が止まらなかったのです。

 

 土地価格が下がる理由②:郊外に家が建てやすくなった

さらに、2000年ごろから、郊外に家がどんどん建てやすくなりました。

 

大店立地法で、ショッピングモールが簡単に建つようになった

ショッピングモールの駐車場

 

2000年に大店立地法(大規模小売店舗立地法)が成立して、イオンモールなどの大きなショッピングモールがカンタンに建てられるようになったのです。

  • 1995年3月:イオンモール桑名
  • 1996年11月:イオンモール鈴鹿
  • 2001年1月:イオンモール四日市北
  • 2001年7月:イオンモール明和
  • 20013年11月:イオンモール東員

などなど、三重県内でも多くのショッピングセンターが郊外にできていますよね。

そのため、わざわざ土地価格の高い市街地に家を建てる人が減ってきたのです。

 

特に三重県は、工場が多くあったので、工場跡地の再利用にショッピングモールが誘致され、早い時期から郊外化が進んでいったのです。

 

 土地価格が下がる理由③:家を建てる人が減った

三重県の新築の戸数を見てみると、1996年までは1.5万戸以上あった着工戸数も、この20年で 6,000戸台にまで、半分以下の水準にまで落ち込みました。

 

三重県の新築の戸数

(参考:国土交通省 地価公示 総務省統計局 建設着工統計)

 

その理由は、家を建てられる人が減っているからです。

 

働く人が減った(20年間で95万→87万人)

新潟県の就業者数(仕事をしている人)を調べてみると、1995年に95万人いましたが、この20年間で87万人にまで減少しています。

働く人が減れば、家を建てる人も減りますから、着工数もどんどん減っていきました。

 

三重県の就業者数

(参考:国土交通省 地価公示 国勢調査 人口の労働力状態,就業者の産業・職業)

 

また、年代別の人口を見ると、家を買う年代の30代人口は、2007年ごろまで増えていますが、2010年代に入ってからは、かなり急激な減少を見せています。

わずか10年で26万人→19.5万人と、4分の3にまで減ってしまいました。

 

家を買う世代の30代人口は、この10年で26万人→19.5万人まで減少

三重県の30代人口

(参考:総務省統計局 建設着工統計 総務省 住民基本台帳に基づく人口))

 

そのため、大都市圏ではアベノミクス効果で盛り上がっていても、三重県の住宅の着工戸数も増えない状況となっています。

 

つまり、

  • 家を建てる人が減っている
  • ショッピングセンターが増えて、郊外のどこに住んでも便利な生活ができるようになった

という理由から、市街地の土地に対する需要が減って、土地価格が下げ続ける傾向にあったわけですね。

 

2、この5年間の三重県の土地価格の動き

三重県全体で見れば、このようにあまり期待できない状況なのですが、市町村別に詳しく見ていくと、上昇している地点がいくつかありました。

ここからは、その点について詳しく見ていきましょう。

 

三重県でも名古屋市に近い都市では、上昇している

三重県内でも名古屋市に近い都市では、住宅地でも上昇しているところがあります。

 

具体的には、

  • 四日市市:近鉄四日市駅の周辺
  • 桑名市:桑名駅の周辺

です。

 

近鉄特急を使えば、名古屋まで30分でつくため、駅周辺のマンションを買って通勤している人が増えているのです。

このような通勤需要のあるエリアでは、土地が限られているため、価格が上昇しやすいんですね。

 

駅からの距離(徒歩1分=80m)ごとの土地価格の変化率

*近鉄四日市駅周辺:赤堀駅、中川原駅、川原駅、伊勢松本駅を含む

 5分以内5-10分10-15分15-20分20-25分25-30分30分以上
近鉄四日市駅、桑名駅周辺1.9%3.0%2.6%1.8%-2.4%-1.5%
その他地域-8.8%-7.4%-8.1%-6.6%-7.2%-7.7%-11.2%
三重県全域-7.2%-6.7%-7.2%-5.3%-6.8%-7.7%-10.3%

 

そのため、この5年間の人口の変化率を見てみると、名古屋市に近い市町村で人口が増えていましたが、南部の方では大きく減少が進んでいます。

 

名古屋寄りのエリア以外では、ほとんどの自治体で人口が減少

三重県の市区町村別の人口変化率

(参考:三重県 人口推計)

 

また、駅前以外の地域では、より郊外の方に家が建ちやすくなっているため、土地価格が上がらない状況となっています。

そのため、市町村単位で見ると、全ての自治体で土地価格が下落していました。

 

市町村別に土地価格の変化率を見ると、全自治体がマイナス

三重県の市区町村別の公示地価変化率

(参考:国土交通省 地価公示)

 

3、これから三重県の土地価格はどうなるのか?

このような状況の中で、三重県の今後の土地価格に影響を与える要素が2つあります。

それは、

  • 日銀の量的緩和政策が続くのか?
  • 2022年問題

の2点です。

 

(1)名古屋市の景気は、為替次第

トヨタ自動車などの製造業は、それまで円ドル相場が100円を割っていたため、利益が思うように上がらない状況でした。

ですが、日銀の黒田総裁になって異次元緩和政策を始めてから円安が進み、トヨタも一気に利益が2兆円に迫るほどの好業績となり、名古屋〜三河地区の雇用が増えてきたという経緯があります。

 

名古屋市でも、異次元緩和が始まってから転入者が一気に増えた

名古屋市の社会動態の推移

(出典:名古屋市 なごや集約連携型まちづくりプランについて)

 

黒田総裁が続くということは、この円安政策も当分続くということでしょうから、名古屋の景気も当分続くでしょう。そうなれば、四日市駅や桑名駅からの通勤需要もまだまだ続くはずです。

 

(2)2022年問題で、名古屋市への通勤需要が愛知県に取られる

2022年問題とは、

「都市部にある農地が、宅地に解禁になることで、土地価格や家賃が下落するだろう」

と言われている問題です。

 

生産緑地

→全国に約3,989万坪、戸建てで約133万戸分の広さになります。詳しい解説はこちら

生産緑地が解禁になる2022年問題で、日本の不動産はどうなるのか?
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愛知県の生産緑地の面積は、全国5位

愛知県の生産緑地の面積は、1,126ヘクタールと全国5位の広さになります。

特に名古屋市はこの生産緑地の面積が、日本で5番目に大きいのです。その広さは270ヘクタール。ナゴヤドームで約27個分になります。

 

生産緑地の分布は、名古屋市に集中している

愛知県の生産緑地の分布

(出典:都市計画区域、市街化区域、地域地区の決定状況)

 

つまり、名古屋市内で多くの土地が放出されるのであれば、わざわざ桑名や四日市から通勤せずに、名古屋市内に家を買う人が増える可能性があるのです。

 

さらに、

四日市市:154ha

桑名市:33ha

の生産緑地があるので、これらの農地も宅地へ変わっていくでしょう。

よほど立地に恵まれた地域でなければ、影響を受けるものと予想されます。

 

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