京都府の不動産の現状。東京オリンピック後の土地価格は?

京都府

テレビや新聞を見ると、公示地価が4年連続上昇中! と言った景気のいいニュースを見かけますよね。そうすると、「自分の不動産も高くなってるのでは?」と気になるのではないでしょうか。

そこで、この記事では、

①京都府の土地価格が5年間で4.3%上昇している理由

②これから京都府の不動産はどうなるのか?

という2点について解説していきます。京都府で家や土地を買う、または売る際の参考にしてください。

この5年間の京都府の公示地価

京都府全体ではこの5年間で4.3%の上昇をしています。しかし、市区別に見ると、

  • 上昇地点:京都市とその近隣都市
  • 下落地点:京都市から離れた周辺都市

という京都市への一極集中が進んでいます。

 

1、5年間の公示地価の推移

京都府の公示地価の推移

(出典:国土数値情報ダウンロードサービス)

*過去5年間さかのぼれる地点データをもとに集計

 

2、市区町村別の変化率

上昇地点:京都市(山科区のぞく)、宇治市、向日市、長岡京市

下落地点:山科区、そのほかの都市

京都市の公示地価の変化率一覧

 

このように「大都市と地方の二極化」が進んでいるのです。

つまり、京都府の公示地価が4.3%上昇している理由は、

  • 外国人観光客が来ることでの経済効果(インバウンド需要)で盛り上がっている京都市
  • あまり影響を受けていない周辺部の都市

が相殺しあった結果だと言えます。

 

(参考)京都府内の都市の地価はこちら

*スマホで見る場合は、横にスライドできます

京都市福知山市舞鶴市綾部市
宇治市宮津市亀岡市城陽市
向日市長岡京市八幡市京田辺市
京丹後市南丹市木津川市 

 

京都府の地価は、これからどうなる?

では、これから京都府の地価はどうなるのでしょうか?

おそらく、この二極化の流れは変わらないでしょう。京都市内の商業地については、まだ上がる余地があるかもしれません。しかし、それ以外の地域については、

  • 今は横ばいのところも下げに転じる
  • 今下がっている都市は、さらに下がる

という可能性が高いと思います。

その理由は3つあります。

 

<二極化が進む理由>

  1. 人口が減って、買い手がいなくなるから
  2. 家が余っているのに、さらに家が建つから
  3. 自治体のお金が足りなくなって、不便なところが増えるから

です。順に説明していきましょう。

 

1、人口が減って、買い手がいなくなる

中京区で3.6%、下京区で2.6%など、京都市の中心部では人口が増加しているものの、それ以外の都市では減少してる地域の方が多いのです。

京都府全体ではこの5年間で263万人→260万人と3万人以上減っています。

 

京都府、京都市の人口の推移

(出典:京都府 平成28年京都府統計書)

若い人も減っている

平成28年の住宅市場動向調査 報告書によると、分譲戸建て住宅を購入する平均年齢は39歳、分譲マンションは43歳でした。

京都府全体でも40歳以下の人口も減っており、特に京都市以外での若い人の減りが大きく、今後の家の買い手があまり期待できない状況なのです。

 

(出典:平成27年京都府統計書 京都市オープンデータポータルサイト

 

空き家率も上昇傾向

ここ数年話題になっている空き家の増加ですが、京都府でも例外ではありません。

2013年の時点の京都府の空き家率は、13.3%。全国平均の13.5%とほぼ同じ水準にあり、しかも空き家率が増加している状況にあります。

 

京都府の空き家率の推移

(出典:住宅・土地統計調査)

このように、人口が減ってきて、家を買う若い人も減り、空き家も増えて家も余っている状況なのです。

 

2、家が余っているのに、さらに家が建つ理由

2022年問題という言葉をご存知でしょうか?

「都市部にある農地(生産緑地)が宅地に変わることで、家賃や地価が下落する」

と言われている問題です。

 

→このような農地が宅地に変わっていきます。約3,989万坪、戸建てで約133万戸分の土地なので、かなりの影響が出ると心配されています。

 

実は、京都市の生産緑地の面積は、全国1位です

その広さは約600ヘクタール。東本願寺65個分にもなります。

30坪の戸建てだと約6万戸になります。

(出典:都市計画区域、市街化区域、地域地区の決定状況)

 

農家もこの30年で約200万世帯と半減していますし、後継者不足や相続税・固定資産税の問題もあるので、その多くがアパートや宅地に変わると言われています。

さすがに京都市の中心部には、生産緑地はありませんが、嵯峨野や嵐山、桂などのちょっと離れたところでは畑が見られます。

この土地にアパートや宅地ができるのです。

 

京都市の家賃や地価が下がれば、京都市に人が集まりやすくなります。

つまり、

  • 生産緑地に家が建ち、京都市の地価や家賃が下がる

      ↓

  • まわりの都市から京都市に人が集まる

      ↓

  • まわりの都市の人口が減って、地方の地価や家賃が下がる

という流れが加速するのです。

 

3、自治体のお金が足りなくなって、不便なところが増える理由

2025年問題という言葉も聞きますよね。

「団塊の世代が75才以上になることで、医療や介護などの社会保障費が20兆円以上増え、行政サービスが削られる。」

ことを指します。

 

<社会保障費の推移と将来の予想>

社会保障費の推移と予想

(出典:2040年を見据えた社会保障の将来見通し(内閣府) 社会保障費用統計(国立人口問題研究所)

 

その対策として、国や自治体がしようとしている政策の1つが「コンパクトシティ」への誘導です。「行政サービスの範囲を狭くすることで、お金を節約しよう。」としているのです。

具体的には「立地適正化計画」を作ることで、

  • 街の中心部:商業施設を建てたら税金を優遇、公共サービスも手厚く
  • それ以外の場所:商業施設を建てたいなら届け出が必要。やりにくくさせる

という方向へと誘導しようとしています。

 

立地適正化計画とは?

ちょっと立地適正化計画について、イメージしにくいと思うので、国土交通省が使っているイメージ図を借りてきます。

 

<立地適正化計画のイメージ>

都市機能誘導区域のイメージ

(出典:国土交通省 立地適正化計画の意義と役割)

 

立地適正化計画では、街の中心部に2つの区域を設定します。

 ①都市誘導区域(赤色の部分)

 ②居住誘導区域(青色の部分)

鉄道駅やバス停を中心に、区域を設定するイメージです。

ここに、幼稚園や介護施設などの公共施設だけでなく、銀行やスーパーなど生活に必要なサービスも集中させる構想を各自治体が作っているのです。

 

介護士の給料が他の仕事に比べて約10万円も安いため、人手不足で困っている、というニュースも聞きますよね。

いくら施設がたくさんあっても、介護士が足りないため成り立たなくなっているのです。

そのため、街の中心部に施設も住人も集中させることで、なんとか公共サービスを維持しようとしているのです。この流れは変わらないでしょう。

 

京都府内での立地適正化計画の具体例

京都府内では、2018年5月1日現在で、長岡京市と舞鶴市がこの計画を作っています。

長岡京市の立地適正化計画

舞鶴市の立地適正化計画

長岡京市の事例を見てみましょう。こんな感じで、地域に色分けをしています。

 

<長岡京市の立地適正化計画図>

 

街の中心部に2つの区域が設定されていますね。

 ①都市誘導区域(赤と黄色のアミかけ枠内)

 ②居住誘導区域(黄色の枠内)

 

長岡京市では、この「①都市誘導区域」に今後15年間で、病院、図書館、介護施設、銀行、スーパー、各種学校などの機能を移動させようという計画中です。

当然、このエリアから外れれば、生活はどんどん不便になります。子育ても、介護も十分なサービスを受けるのが難しくなっていきます。

地価も家賃も下がりますし、売るに売れない不動産も増えていくことになるでしょう。

 

怖いのは、2025年問題で自治体がリストラを前倒しする可能性

もし2025年問題によって、予想よりも社会保障費が増えたり、税収が足りなかったりした場合には、前倒しで行政サービスを統合していく可能性もあります。

極端な話、街の中心部の公共サービスは残して、他は削っていく可能性があるのです。当然、それ以外の地域の地価は下がっていかざるを得ないでしょう。

 

このような最悪のケースを想定した「売るに売れなくなる不動産」の見分け方をこちらの記事で解説しています。

実際に、神奈川県の横須賀市では、このような事態に直面しており、その詳細についても解説しています。

→「2025年問題と売るに売れなくなる不動産の見分け方」

 

最後に:もし、あなたの家や土地が気になるなら

あなたの不動産は世界に2つと同じものがないため、似た物件の取引情報を参考にしないと「いくらで売れるのか?」すら調べることができません。

しかも、不動産の取引情報には”個人情報” が含まれるため、不動産会社に聞かないと正確な情報にたどり着くことができないのです。

ですが、ネット上にいくつかのサイトに分散している情報を調べることで、「あなたの不動産の現状」をある程度調べることができます。

具体的には、

・売るに売れない不動産になっていないか?まだ大丈夫か?

・いくらで売れそうか?

・これから売れない不動産になってしまいそうか?

と言った情報です。

その調べ方をこちらの記事にまとめましたので、ご興味のある方はこちらも参考にしてみてください。

→「10分でできる『あなたの不動産』を自分で査定する方法」

 

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