京都市の土地価格は、東京オリンピック後にどうなるのか?

京都府

「東京オリンピックへの期待で、不動産価格が上昇している」という内容のニュースや記事を見かけるようになりました。

今年3月に発表された公示地価では、京都市でも27%も上昇した地点もありましたし、東京以外の地域へも影響が広がっているようです。

 

ですが、そうなると気になるのは「オリンピックの後はどうなるのか?」ですよね。

そこで、この記事では、京都市に大きな影響を与える「2022年問題」を中心に、今後の動きを解説していきます。

最後の結論部分では、不動産を「買いたい」「貸したい」「売りたい」場合の対策も載せました。参考になれば幸いです。

京都市のここ5年間の土地価格の動き

この5年間で、京都市の土地価格も上がってきました。

しかし、詳しく見ていくと、上がっている地域とそうでない地域とで二極化が進んでいました。

 

実は、京都市内の住宅地は、あまり上昇していない

この5年間の京都市の土地価格を見てみると、中京区や東山区、下京区は15〜25%もの大幅な上昇をしていますが、住宅地はそれほど反応していません。

上京区の14%が最大で、伏見区や山科区はむしろマイナスになるなど、郊外の地区までは恩恵を受けていないのです。

区別の公示地価の変化率(H25〜H30)

*単位:%

 全用途住宅地
京都市10.13.0
北区6.24.7
上京区14.514.1
左京区5.24.4
中京区38.613.7
東山区27.35.6
下京区34.08.7
南区10.33.5
右京区0.90.0
伏見区1.3-0.1
山科区-2.3-3.0
西京区2.82.5

(出典:国土数値情報ダウンロードサービス)

 

駅からの距離によって、土地価格の強さが違う

駅の距離から土地価格の傾向を見てみたところ、徒歩15分(1分=80mで計算)以上の場所から、地価が下落傾向にあることがわかりました。

これ以上離れた場所では、土地に対する需要も少なくなっているので、生産緑地の解禁の影響を大きく受けそうです。

区によって傾向が違いますが、1つの目安として意識すべきでしょう。

 

過去5年間の公示地価の変化率(駅からの距離別)

市区名駅からの距離
5分以内5~10分10~15分15~20分20~25分25~30分30分以上
京都市14.0%7.0%3.0%-1.0%-3.0%-4.0%-5.0%
中京区42.0%38.0%7.0%
下京区52.0%35.0%14.0%15.0%
東山区43.0%15.0%32.0%13.0%
上京区21.0%18.0%17.0%9.0%6.0%
南区12.0%8.0%6.0%3.0%0.0%2.0%
北区17.0%8.0%9.0%4.0%1.0%2.0%0.0%
左京区10.0%6.0%6.0%5.0%-4.0%3.0%-8.0%
西京区8.0%5.0%3.0%0.0%0.0%-2.0%
右京区2.0%2.0%3.0%-2.0%-2.0%-11.0%-5.0%
伏見区5.0%2.0%-2.0%0.0%0.0%-1.0%2.0%
山科区3.0%-1.0%-1.0%-6.0%-4.0%-3.0%

(出典:国土数値情報ダウンロードサービス)

 

つまり、足元の土地価格の上昇は、商業地を中心としたものであり、特に駅から離れている住宅地にまでは影響がなかったのです。

このような状況の中で、4年後には2022年問題をむかえます。

 

2022年問題とは?

「生産緑地(都市部にある農地)が宅地に変わることで、家や土地がさらに余り、地価や家賃が下落するだろう。」

と言われている問題です。

 

→全国に約3,989万坪、戸建てで約133万戸分の広さになります。

 

京都市の生産緑地の面積は、全国1位

実は、京都市はこの生産緑地の面積が、日本で1番大きいのです。

その広さは599.5ヘクタール。京都御苑9個分にもなるため、かなりの影響が出ると心配されています。

 

<京都御苑の面積は約65ヘクタール。その9倍の広さ>

京都御苑

 

生産緑地の面積ランキング上位

都道府県市区町村名面積(ヘクタール)
京都府京都市599.5
埼玉県さいたま市352.4
神奈川県横浜市301.6
神奈川県川崎市287.2
愛知県名古屋市270.2
東京都八王子市242.5
東京都町田市232.1
静岡県静岡市220.8
東京都立川市206.7
千葉県船橋市189.2

(出典:都市計画区域、市街化区域、地域地区の決定状況)

 

農家もこの30年で400万世帯から約200万世帯まで半減しました。

後継者不足や相続税・固定資産税の問題もありますから、その多くがアパートや宅地に変わっていくと予想されます。

 

京都市のホームページで、生産緑地がどこにあるか調べられます

1番気になるのは、近くに生産緑地があるかどうかですよね。実は京都市のホームページで、生産緑地がどこにあるかを調べることができます。

(→京都市都市計画情報等の検索はこちら)

 

画面が出てきたら、「生産緑地地区」をチェックすると、生産緑地だけ緑色で塗られた地図で確認できます。

地図がかなり細かいので、調べるのが大変ですが、地名検索を使えば周辺地区も含めて、だいたいどこにあるのかがわかるでしょう。

 

若い人が減っているため、買い手が減少

京都市で家を買う人は年々減少していきます。

戸建ては平均39歳、マンションは平均43歳ですが、京都市内のこの年齢層は年々減少傾向にあるのです。4年後の2022年には、もっと減っているでしょう。

 

京都市の年齢別人口

(出典:平成27年京都府統計書 京都市オープンデータポータルサイト

 

しかも、京都市の空き家率は、14.0%と全国平均を上回る

2013年時点で、京都市の空き家率は 14.0%と、全国平均の13.5%を上回っていました。空き家率が高くなるということは、売るに売れない家が増えるということです。

生産緑地の多くが宅地やアパートになれば、もっと家は余っていくことになります。値下げする人も増えますので、地価が下落していく要因になっていきます。

 

京都市の空き家率の推移

(出典:住宅・土地統計調査)

 

つまり、

・家を買う人が減っている

   ↓

・それでも家が建つので、空き家率が上昇している

   ↓

・さらに生産緑地が解禁になって、宅地やアパートが増える

という状況になるのです。

おそらく2022年ごろから、土地価格も家賃も下落していくのではないでしょうか?

 

結論

京都市の現状と2022年問題から、「買う」「貸す」「売る(リバースモーゲージ)」という視点で見た場合に、どのような基準で選ぶべきかをまとめました。

 

買う:2022年以降にお宝物件が出てくる可能性あり

購入を検討している方は、来年の消費税増税までにと考えている人もいるかもしれませんが、生産緑地の解禁によって、多くの宅地が放出される可能性があります。

そうなれば、地価も家賃も下がってきますので、選ぶのはそれからでも遅くはないでしょう。

 

貸す:今後は競合が増える可能性大。生産緑地の分布は要チェック

2022年問題によって、多くの宅地がアパートへと変わるはずです。そうなると、今建っているアパートと借り手を取り合う形になるので、家賃相場は下落するでしょう。

昨年からサブリース問題でアパートを建てた人が大変な目にあっていますが、2022年以降は京都市がもっとも大きな影響を受けるのかもしれません。

また、重複する部分もありますが、今後の土地活用、空き家活用で知っておくべき「これから起こること」を下の記事にまとめていますので、こちらもご参考ください。

土地活用で気をつけたい「これから起こる3つ変化」とは?

 

売る・リバースモーゲージ:2022年以降は競合物件が増えるので、その前に準備を

京都市にとってもっとも影響があるのは2022年問題ですが、その前にも来年2019年10月には消費税が10%に増税になりますし、2年後には東京オリンピックも終わります。

売却を考えるなら、その前に動いた方が高く売れるはずです。

また、リバースモーゲージを使う場合には、駅から15分以上離れた場所は特に注意が必要でしょう。

こちらに不動産を高く売るためのコツをまとめましたので、ご参考ください。

 

数百万円高く売りたい人がしている、たった1つのこととは?

 

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