福井県で土地価格が上がる不動産の特徴とは?今後はどうなる?

福井駅 福井県

福井県のここ5年間の土地価格を見ると、住宅地で8.5%のマイナスでした。

富山県が1番下落率が低く、福井県、新潟県が同じように下落しています。

 

福井県の公示地価の推移

(参考:国土交通省 地価公示)

 

石川県と富山県は、北陸新幹線の影響があるのでしょう。

福井県と新潟県は、そういった大事業がないため、置いていかれているように見えます。

 

ですが、福井県の公示地価135地点を詳しく調べてみたところ、この5年間で8%以上も上昇している地点もありました。

決して、全ての地域で下落しているわけではないのです。

 

そこで、この記事では、過去30年間の福井県の土地価格を追いかけることで、

  • なぜ、福井県の住宅地は、22年連続で下げ続けているのか?
  • この5年間で上昇している不動産の特徴は何か?
  • 今後の福井県の土地価格がどうなるのか?

について、解説していきます。

 

不動産を買いたい人にも、売りたい人にも参考になるはずです。

 

1、これまでの福井県の土地価格の動き

(1)22年連続で土地価格が下落している理由とは?

全国の土地価格のピークは 1991年(平成3年)でしたが、福井県のピークはそれから5年後の1996年(平成6年)でした。

しかも、そこからの下落ペースは2000年ぐらいまでは緩やかでした。かなり安定していたんですね。

 

 福井県の公示地価(住宅地)は、平成8年ごろがピーク

福井県の過去30年間の土地価格の推移

(参考:国土交通省 地価公示)

 

しかし、そこから福井県の土地価格は、22年連続の下落を続けています。

 

その大きな理由は3つあります。

  • 不良債権処理と公共事業の削減で、不動産市場が崩壊
  • 家を建てる人が減った
  • 郊外に家を建てられるようになった

の3点です。

 

 土地価格が下がる理由①:不良債権処理と公共事業の削減で、不動産市場が崩壊

土地バブルの崩壊が崩壊して、金融機関が本格的に危なくなったのが1997〜1998年ごろでした。

 

経営破綻した金融機関
1997年・(11月)三洋証券

・(11月)北海道拓殖銀行

・(11月)山一證券

・(11月)徳陽シティ銀行

1998年・(10月)長銀

・(12月)日債銀

 

上に挙げた以外にも、多くの信金・信組が破綻しました。

これ以上の破綻を食い止めるために、現在の金融庁が作られ、貸出先を厳しく審査するようになりました。

 

その結果、経営が危ない企業に対してお金を貸すことを止める「貸しはがし」が起きて、余計に景気が悪化していきました。

 

金融機関の「貸しはがし」と土地価格の本格的な下落は、ほぼ同じタイミング

福井県の公示地価と金融機関の貸出残高

(参考:日銀 時系列統計データ検索サイト)

 

さらに、2001年には小泉政権が誕生して、「構造改革」という名の下に、公共事業がどんどん減らされ、その流れは民主党政権にまで続きました。

 

その結果、福井県の年間に4,000億円以上あった行政投資額(公共事業など)が、2,000億円台にまで減ってしまったのです。

 

福井県の行政投資額は、4,000億円→2,000億円台まで激減

新潟県の行政投資額

(参考:国土交通省 地価公示 総務省統計局 行政投資実績)

 

グラフを見ると、下げ始めから、ほとんど同じ動きをしてますよね。

金融機関の貸出残高は、2004年以降に持ち直していますが、公共事業はその後も減り続けています。

地方では公共事業の影響が大きいため、土地価格の下落が止まらないのです。

 

 土地価格が下がる理由②:郊外に家が建てやすくなった

さらに、2000年ごろから、郊外に家がどんどん建てやすくなりました。

 

大店立地法で、ショッピングモールが簡単に建つようになった

ショッピングモールの駐車場

 

2000年に大店立地法(大規模小売店舗立地法)が成立して、イオンモールなどの大きなショッピングモールがカンタンに建てられるようになったのです。

  • 2000年10月:フェアモール福井
  • 2012年10月:アピタ敦賀

などなど、福井県でも多くのショッピングセンターが郊外にできていますよね。

そのため、わざわざ土地価格の高い市街地に家を建てる人が減ってきたのです。

 

 土地価格が下がる理由③:家を建てる人が減った

福井県の新築の戸数を見てみると、1996年までは5,000戸以上あった着工戸数も、この20年で 2,500戸程度にまで、ほぼ半減してしまいました。

 

福井県の新設戸数

(参考:国土交通省 地価公示 総務省統計局 建設着工統計)

 

その理由は、家を建てられる人が減っているからです。

 

働く人が減った(20年間で45万→40万人)

福井県の就業者数(仕事をしている人)を調べてみると、1995年に45万人いましたが、この20年間で40万人にまで減少しています。

働く人が減れば、家を建てる人も減りますから、着工数もどんどん減っていきました。

 

福井県の就業者数

(参考:国土交通省 地価公示 国勢調査 人口の労働力状態,就業者の産業・職業)

 

また、年代別の人口を見ると、家を買う年代の30代人口は、2007年ごろまで増えていますが、2010年代に入ってからは、かなり急激な減少を見せています。

わずか10年でほぼ2割減の8.4万人にまで減ってしまったのです。

 

家を買う世代の30代人口は、この10年で10.6万人→8.4万人まで減少

福井県の30代人口

(参考:総務省統計局 建設着工統計 総務省 住民基本台帳に基づく人口))

 

そのため、大都市圏ではアベノミクス効果で盛り上がっていても、福井県の住宅の着工戸数も増えない状況となっています。

 

つまり、

  • 家を建てる人が減っている
  • ショッピングセンターが増えて、郊外のどこに住んでも便利な生活ができるようになった

という理由から、市街地の土地に対する需要が減って、土地価格が下げ続ける傾向にあったわけですね。

 

2、福井県の土地価格は、これからどうなるのか?

では、これからの福井県の土地価格は、どのようになっていくのでしょうか?

今後ポイントになってくるのは、以下の2点です。

(1)平成34年の北陸新幹線 金沢ー敦賀間の開通

(2)立地適正化計画

 

この2点について、詳しく解説します。

(1)北陸新幹線開通による富山市、金沢市への影響

北陸新幹線の開通によって、富山市、金沢市の公示地価(住宅地)を調べてみたところ、以下のような結果となりました。

 

北陸新幹線開通後の富山市、金沢市の公示地価

 

ご覧のように、住宅地としてみると、その上昇率はかなり小幅な印象です。というのも、上昇している住宅地が金沢駅、富山駅の周辺に限られているからです。

 

また、富山市と金沢市は、都市としての特徴も違います。

金沢市は、兼六園や町家が外国人にも人気で、かなり増えています。

富山市、金沢市の外国人延べ宿泊数

 

そのため、金沢駅から兼六園にかけての比較的広い範囲で土地価格が上昇しています。

 

一方、富山市では、外国人観光客があまり多くない代わりに、市長がコンパクトシティ政策として、富山ライトレールや、市電を1時間に4〜5本ぐらいの頻度で運行させています。

 

富山ライトレール

 

それ以外にも、市の中心部で家を建てたり、賃貸する人に補助金を出したりして、市の中心部に人が移り住むような政策をバンバンやっています。

その結果として、富山市の中心部の住宅地でも、この5年間で10%以上上昇している地点も出てきているのです。

 

北陸新幹線が開通した後で、福井市がどのような選択をするのか?

金沢市のようには観光客が増えにくいでしょうから、富山市のような方向性を目指すかもしれません。

・公共交通機関の運行頻度を増やす

・中心街への移住に補助金を出す

・中心街の再開発を行い、お客さんを増やす

という方向性ですね。

 

ただし、この方向性は、かなりお金がかかります。

この10年で、富山市の市債発行額は2,300億円以上に膨れ上がり、金沢市よりも多くなりました。

また、その効果についての評価も分かれていますので、福井市がこの方向性を選ぶかどうかは微妙なところです。

 

もし、富山市と同じように進めるのであれば、駅を中心に一部の地域では土地価格の上昇の恩恵を受けるでしょう。

ですが、積極的に行わなければ、観光客数次第になるでしょう。

 

(2)立地適正化計画で、今後は土地価格が二極化していく

立地適正化計画とは、「住んで欲しい地域(居住誘導区域)」と「そうでない地域」にわけることで、今後の行政サービスや商業施設の建設に格差をつけようとする計画です。

 

これまで多くの都市では、市の中心部を魅力的にしていくことで、郊外に住んでいる人たちを市街地に呼び寄せようと働きかけてきました。

アメとムチで言えば、アメの政策ですね。

 

ですが、郊外化が進んだ多くの都市では、いくら中心地を再開発しても、郊外に人が流れてしまい、効果があまりありませんでした。

福井駅の隣にできたハピリンも、地元向けではなく観光客向けですよね。

ほとんどの自治体の商店街が、シャッター商店街になっている現状では、地域活性化を当てにするのは難しいところです。

 

そこで、今後は、郊外のエリアの行政サービスを減らして不便にすることで、市街地に呼び寄せようと働きかけようとしているのです。

アメとムチで言えば、ムチの政策です。

 

例えば、

・コミュニティバス(民間の小型バス)へ転換

・ニュータウンや、商業施設を建てる場合には届け出が必要

・福祉センターなどの公共施設の削減

などが進められていくのです。

 

 福井市の立地適正化計画のイメージ

福井市の立地適正化計画案

(参考:福井市 立地適正化計画 )

 

濃い赤色の線で囲まれた地域が、今後優先エリアになりそうな候補地域です(正式には今年度中に決定する予定)。

そのため、今後はこのエリア「内」とエリア「外」では、土地価格に大きな格差がつくはずです。

この点については、こちらの記事で詳しく解説しました。

「立地適正化計画」で売れなくなる不動産を見分ける方法
立地適正化計画の詳しい内容と、その影響について解説します。売れなくなる不動産を見分ける際の参考になるはずです。

 

なお、この立地適正化計画は、いずれどこの自治体でも策定することになるはずです。しかし、多くの自治体では街の中心部を盛り上げられるほどの予算もなければ、商業施設を誘致させられるほど人口が多くありません。

そのため、今後も福井市に人が集中する流れは続くでしょう。

それ以外の地域との二極化がどんどん拡大していくものと思われます。

 

買いたい、売りたい人は、こちらの記事もどうぞ

この記事で、大まかな傾向については解説しましたが、実際に検討する場合には、もっと具体的な情報が必要でしょう。

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