福島県で土地価格が上がる不動産の特徴とは?今後はどうなる?

福島県

福島県のここ5年間の土地価格を見ると、住宅地で10.8%の上昇と全国でも3番目に高い上昇率でした。

同じ東北の秋田県が15%以上も下落していることを考えると、かなり格差が拡大している印象です。

 

福島県の公示地価の推移

(参考:国土交通省 地価公示)

 

確かに、復興需要の効果はあったでしょう。ですが、震災からすでに7年経過しています。

お隣の宮城県は過去5年間で全国1位の上昇率ですが、一方で同じく被災した岩手県では、5年で2.7%のマイナスなのです。

 

福島県の公示地価435地点を詳しく調べてみたところ、この5年間で50%以上の上昇している地点もあれば、10%近く下落している地点もありました。

同じ県内でも、かなり土地価格の動きに格差が広がっているのです。

 

そこで、この記事では、過去30年間の福島県の土地価格を追いかけることで、

  • なぜ、福島県の住宅地は、18年連続で下げ続けているのか?
  • この5年間で上昇している不動産の特徴は何か?
  • 今後の福島県の土地価格がどうなるのか?

について、解説していきます。

 

不動産を買いたい人にも、売りたい人にも参考になるはずです。

 

1、これまでの福島県の土地価格の動き

(1)18年連続で土地価格が下落している理由とは?

バブルの真っ只中の1988年から、福島県の公示地価の動きを見ていくと、意外なことに住宅地のピークは平成7年でしたが、その後もほぼ横ばいの状況が平成10年ぐらいまで続きました。

住宅バブルが盛り上がらなかった分だけ、息が長かったと言えます。

 

 福島県の公示地価は、平成7年にピークをつけた後、横ばいが続いた

福島県の過去30年間の土地価格の推移

(参考:国土交通省 地価公示)

しかし、そこから福島県の土地価格は、平成25年まで18年連続の下落を続けました。

その大きな理由は3つあります。

 

 土地価格が下がる理由①:家を買う年代が減っている

平成28年の調査によると、戸建てを購入する平均年齢は、36.9才だそうです。平成13年ごろならば、もう少し若かったでしょう。

しかし、福島県の年齢別の人口を見ると、若い人ほど減少している傾向にあります。全国平均で比べて見ても、高齢者が多く、若い人が少ないことがわかりました。家を買う年代がどんどん減っているため、土地価格が上がらないのです。

 

福島県の年齢別人口の構成比

(参考:国土交通省 地価公示 総務省 住民基本台帳に基づく人口)

 

 土地価格が下がる理由②:家を買える人が減っている

福島県は、他の都道府県に比べても平均年収が低く、全国平均よりも2割も安くなっています。家を買う若い世代は、もっと年収が低くなりますから、おそらく手取りは14〜15万円ぐらいになります。

結婚するのを躊躇する人もいるでしょうし、家を買う人も減っているのです。

 

福島県の平均年収の推移

(参考:国土交通省 地価公示 総務省 市町村税課税状況等の調)

 

 土地価格が下がる理由③:車があるので、郊外の方が住みやすい

この5年間で給料は少しずつ上昇してきましたが、新築の戸数を見てみると、一時期の年間5,000戸台から、8〜9,000戸までの水準に回復しました。

 

福島県の新設戸数の推移

(参考:国土交通省 地価公示 総務省統計局 建設着工統計)

 

それに加えて、土地価格の高い街の中心部ではなく、郊外に家を建てる人が大多数を占めるようになりました。

車での移動が基本となって、郊外のショッピングセンターに行く生活スタイルが定着したため、土地価格の安い地域で家を建てる人が増えているのです。

 

他県を見ても、新築の戸数は増えているのに、土地価格が全然上がらない地域も珍しくありません。それは、土地が余っている郊外に家を建てるからなんですね。

 

(2)なぜ、この5年間でこれほどに上昇したのか?

しかし、上で挙げたような、

・若い人が減って、家を建てる人が減っている

・給料が上がらない

といった理由は、多かれ少なかれ全国的に起こっていることです。

ではなぜ、上昇している地域とそうでない地域があるのでしょうか?

 

その1番大きな理由は、「経済的に盛り上がっているかどうか」が原因でした。2010年代に入って、日本には3つの大きな流れが生まれています。

 

それは、

・2011年の震災による復興需要

・2020年のオリンピック開催決定→外国人観光客の増加

・日銀の異次元緩和で円安→輸出企業の利益が増加

の3点です。

 

この3つの動きに影響を受けた地域だけが、土地価格が上昇しているのです。それぞれの地域の特徴をまとめるとこうなります。

 

 土地価格が上昇している地域の特徴

上昇している地域の特徴

 

代表的な都市だけを取り上げていますが、その周辺の都市でも上昇していますし、それ以外の都道府県でも上昇しているところもあります。

 

また、復興需要というと綺麗に聞こえますが、土地価格という観点から言えば、移り住まれた人の数が多い地域ほど、土地価格が上昇したというのが現実です。

沿岸部の地域では、海岸から離れた高台や、津波被害が来なかった内陸部へ移り住む方が増えたため、限りある土地に対して需要が増えて土地価格が上昇しました。

 

福島県では福島第1原発の周辺地域の方は、他の地域へと避難せざるを得なかったため、かなりの人が他の地域へ移り住みました。

 

 過去5年間の人口の変化率

福島県の人口変化率の分布図

(参考:福島県 市区町村別推計人口)

 

そのため、仕事がある福島市やいわき市、郡山市の人口が増え、浜通りと中通りの土地価格が上昇し続けているのです。

 福島県の過去5年間の公示地価の変化率

福島県の公示地価の変化率分布図

(参考:国土交通省 地価公示)

 

それに対して、岩手県では沿岸部の地域だけの上昇にとどまっているのは、

・そもそも沿岸部の人口が少ないということ

・土地が余っているので、市内での引っ越しで済んでしまうこと

などから、盛岡や一関に移り住む人も少なく、影響が限定的だったためでしょう。

 

2、これから福島県の不動産はどうなるのか?

復興需要による土地価格の上昇は、そろそろ一巡するはずですから、今後については、福島市やいわき市など、大都市がいかに工場を誘致できるかにかかっているでしょう。

この5年間のアベノミクス政策によって、海外に輸出して稼ぐ製造業の業績は、自動車産業を中心にかなり調子がいいですからね。

ただ、この点については、なかなか予想しにくい部分もあるので、ここではこれ以上は触れません。

 

この記事では、今後確実に進んでいく「立地適正化計画」について解説したいと思います。

 

(1)立地適正化計画とは?

立地適正化計画とは、「住んで欲しい地域(居住誘導区域)」と「そうでない地域」にわけることで、今後の行政サービスや商業施設の建設に格差をつけようとする計画です。

これまで多くの都市では、市の中心部を魅力的にしていくことで、郊外に住んでいる人たちを市街地に呼び寄せようと働きかけてきました。

アメとムチで言えば、アメの政策ですね。

 

ですが今後は、郊外のエリアの行政サービスを減らして不便にすることで、市街地に呼び寄せようと働きかけようとしているのです。アメとムチで言えば、ムチの政策です。

例えば、

・バスの運行を減らす

・ニュータウンや、商業施設を建てる場合には届け出が必要

・福祉センターなどの公共施設の削減

などが進められていくのです。

 

 福島市の立地適正化計画図

福島市の立地適正化計画図

(参考:福島市 立地適正化計画)

オレンジとピンクのエリアが重点地域で、それ以外の地域は今後不便になっていきます。

「車があるから大丈夫」という人もいるでしょう。確かに車さえあれば、いきなり不便になることはないでしょう。

 

しかし、今後はこのエリア「内」とエリア「外」では、土地価格に大きな格差がつく可能性があると思います。

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