愛媛県で土地価格が上がったエリアは?文教地区のブランド力が復活

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愛媛県の過去5年間の土地価格を見ると、住宅地で9.1% のマイナスと、四国の中でも最も下落率の大きい結果となりました。

 

愛媛県の公示地価の推移

(参考:国土交通省 地価公示)

 

東京オリンピックへの期待で、外国人観光客が増加しています。

西日本ですと、空港も博多港もある福岡県に多くのアジア人観光客が押し寄せています。そのため、福岡県の住宅地では過去5年間で3.2%の上昇となっています。

 

「では、愛媛県には関係ないのか?」と思ってしまいますよね。

そこで、愛媛県の公示地価258地点を詳しく調べてみたところ、15%以上も上昇している地点がありました。上昇している地点は、ある地域に集中していたのです。

そのため、市区町村ごとに見ると、なかなか気づかないようになっているんですね。

 

この記事では、過去30年間の愛媛県の土地価格を追いかけることで、

  • なぜ、愛媛県の住宅地は、20年連続で下げ続けているのか?
  • この5年間で上昇している不動産の特徴は何か?
  • 今後の愛媛県の土地価格がどうなるのか?

について、解説していきます。

 

不動産を買いたい人にも、売りたい人にも参考になるはずです。

 

1、これまでの愛媛県の土地価格の動き

(1)20年連続で土地価格が下落している理由とは?

1989年の大納会で、日経平均は38,915円の史上最高値をつけ、これが株式市場のピークとなりましたが、不動産市場はもう少しあとの1991年(平成3年)が全国的なピークでした。

 

愛媛県の公示地価(住宅地)はそれより5〜7年遅く、平成7〜10年(1995〜1998年)ごろまでがなだらかなピークでした。

 

 愛媛県の公示地価(住宅地)は、平成7〜10年ごろがピーク

愛媛県の過去30年間の公示地価の推移

(参考:国土交通省 地価公示)

 

それから、ほぼ20年間の下落が続いています。

 

その大きな理由は2つあります。

①家を建てる人が減った

②郊外に家を建てられるようになった

の2点です。

 

 土地価格が下がる理由①:家を建てる人が減った

家を建てる人が減れば、土地を欲しがる人が減りますので、土地価格が下がります。

愛媛県のこの30年間の土地価格と、持ち家(戸建て・マンション)の着工戸数を並べてみると、土地価格が下がるより前の1997年(平成9年)ぐらいから、すでに着工戸数が減少していたことがわかります。

 

家を建てる人が減って、土地価格も下落

愛媛県の新築の戸数の推移

(参考:国土交通省 地価公示 総務省統計局 建設着工統計)

 

では、なぜこれほど家を建てる人が減ってしまったのでしょうか?

理由は3つあります。

ⅰ 住宅ローン金利が下げ止まった

1996年ぐらいまでの住宅の着工件数を見ると、かなり勢いがありますよね。実はこの期間は、住宅ローンの金利がどんどん下がっていた時代だったんです。

 

平成3年〜7年で、一気に住宅ローン金利が下がった

住宅ローン金利の推移

(参考:住宅金融支援機構)

 

そのため、同じ3,000万円の家を買う場合でも、月々の支払いが一気に楽になりました。

 

35年返済とすると

・金利6%:月々17万円(全部で7,200万円)

・金利3%:月々11.5万(全部で4,800万円)

になるわけです。

 

しかも、1997年には消費税が5%に増税される予定でしたので、それまで買えなかった人が、一気に駆け込むように家を建てたのです。

そのため、それ以降の住宅を買う人が一気に減ったんですね。

 

ⅱ 年収が減った(326万円→289万円)

年収のピークは1998年ごろで、公示地価のピークの頃と重なります。

買いたい人は、97年の増税前に買っていましたし、その後の年収の低下によって、帰る人が減ってしまったんですね。

 

平均年収が減って、住宅の着工件数も減ってしまった

愛媛県の平均年収の推移

(参考:国土交通省 地価公示 総務省 市町村税課税状況等の調)

 

ⅲ 働く人が減った(20年間で52.8万→45.2万人)

愛媛県の就業者数(仕事をしている人)を調べてみると、1995年の国勢調査時が73.7万人ともっとも増えた時期でした。ですが、それから5年経つごとに2.5〜3万人近くの就業者が減っていきました。

働く人が減ると、家を建てられる人も減ります。そのため、新築の戸数も減っていく一方となったのです。

 

愛媛県の就業者数の推移

(参考:国土交通省 地価公示 国勢調査 人口の労働力状態,就業者の産業・職業)

 

 土地価格が下がる理由②:郊外に家を建てられるようになった

家を建てる人が減っていきましたが、実際に土地価格が下がり始めたのは2000年ごろです。時間的に少しズレがありますよね。

なぜ、すぐに下がらなかったのでしょうか?

その理由は、郊外に家を建てられるようになったのが、2000年ごろからだからです。

 

2000年の都市計画法の改正で、市街化調整区域でも家が建つようになった

2000年に都市計画法が改正されました。

この法律の改正によって、市街化調整区域(主に市街地から離れた農地)でも自治体がOKすれば、住宅地を作ることができるようになったのです。

 

農家の数がどんどん減ることで、土地が余ってきていた

販売農家数の推移

(参考:総務省統計局 農業構造動態調査)

 

ご覧のように、この30年で農業で生計を立てている農家の方は、半分以下に減ってしまいました。

そのため、農地を手放したい、宅地にしてアパートなどの大家をやりたい、という人が増えていたのです。

 

例えば、新居浜市や西条市、東予市などでは、平成16年5月から市街化区域と市街化調整区域の線引きが廃止されました。

 

線引き廃止について

線引きの廃止により、これまでの市街化調整区域では、都市計画法上の規制が大幅に緩和されました。

(参考:新居浜市 線引き廃止について)

 

もともと農地だった場所に家を建てられるようになれば、土地価格は安くて済みます。そのため、市街地の土地を買う人が減り、土地価格が下げ続けることになったのです。

 

大店立地法で、ショッピングモールが簡単に建つようになった

ショッピングモールの駐車場

 

しかも、同じ2000年に大店立地法(大規模小売店舗立地法)も成立して、イオンモールなどの大きなショッピングモールがカンタンに建てられるようになりました。

 

・2001年:イオンモール新居浜

・2008年:エミフルMASAKI

・2016年:イオンモール今治新都市

などなど、ますます郊外で住んだ方が、買い物にも便利な状況になっていきました。

 

つまり、

・家を買う人が減った

・ショッピングセンターが増えて、郊外のどこに住んでも便利な生活ができるようになった

という理由から、市街地の土地に対する需要が減って、土地価格が下げ続けているんですね。

 

松山市の中心部に近い「松山市岩崎町1-4-52」では、5年で15.8%の上昇

 

 

このように下げ続けている土地価格ですが、一部では上昇している地域もありました。

それが、上の地図の下の赤色、黄色、青色のポイントです。

 

赤色:松山市岩崎町(15.8%)

黄色:松山市持田町(11.3%)

青色:松山市上市(5.8%)

 

とかなり上昇していました。

特に岩崎町では、マンションの建設が増えており、市電にも近いため、田舎暮らしが不便になってきた高齢者の方が移住してきているようです。

 

2、これから愛媛県の土地価格はどうなるのか?

このような状況にある愛媛県の土地価格ですが、今後はどうなるのでしょうか?

郊外に土地が建つ流れは、なかなか変わりませんし、この1年間で愛媛県の人口は1万人以上減っています。

おそらく、今後もこの流れは続くでしょう。

 

ただし、1点だけ、注意が必要なポイントがあります。それが「立地適正化計画」です。

(1)立地適正化計画で、中心部に公共サービスが集中

立地適正化計画とは、「住んで欲しい地域(居住誘導区域)」と「そうでない地域」にわけることで、今後の行政サービスや商業施設の建設に格差をつけようとする計画です。

 

これまで多くの都市では、市の中心部を魅力的にしていくことで、郊外に住んでいる人たちを市街地に呼び寄せようと働きかけてきました。

アメとムチで言えば、アメの政策ですね。

 

ですが、車での移動が基本の多くの自治体では、いくら中心地を再開発しても、郊外に人が流れてしまい、効果があまりありませんでした。

そこで、今後は、郊外のエリアの行政サービスを減らして不便にすることで、市街地に呼び寄せようと働きかけようとしているのです。

アメとムチで言えば、ムチの政策です。

 

例えば、

・バスの運行を減らす

・ニュータウンや、商業施設を建てる場合には届け出が必要

・福祉センターなどの公共施設の削減

などが進められていくのです。

 

 松山市の立地適正化計画のイメージ

松山市の立地適正化計画

(参考:松山市 立地適正化計画 概要版)

 

上の図は、松山市の立地適正化計画のイメージ図です。青色の線で囲まれたエリアが優先地域になります。

中心市街地から鉄道やバス路線で地域を結び、その拠点となる場所に住む場所を集約したい、というのがこの計画の本音です。

 

車での移動を基本とする若い世代はあまり困らないかもしれませんが、バスや車の運転がきつくなってくる高齢者にとっては、このエリア内に移住しないと何かと不便に感じるようになるでしょう。

 

そのため、今後はこのエリア「内」とエリア「外」では、土地価格に大きな格差がつくのではないでしょうか。

この点については、こちらの記事で詳しく解説しましたので、ご参考ください。

「立地適正化計画」で売れなくなる不動産を見分ける方法
立地適正化計画の詳しい内容と、その影響について解説します。売れなくなる不動産を見分ける際の参考になるはずです。

 

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