千葉県で土地価格が上がる不動産の特徴とは?今後はどうなる?

アクアライン 千葉県 千葉県

千葉県の過去5年間の住宅地を見ると、わずか0.9%の上昇しかしていませんでした。

テレビや雑誌で、あれほど不動産市場が盛り上がっていると言われているのに、埼玉県、神奈川県の3県は横並びで1%程度の上昇しかしていなかったのです。

 

千葉県の公示地価の推移

(参考:国土交通省 地価公示)

 

そこで、千葉県の公示地価1,259地点を詳しく調べてみたところ、この5年間で20〜50%以上も激しく上昇している住宅地がいくつもありました。

しかも、同じ市内でも、上昇している地点と下落している地点の格差が広がっていたのです。

 

そのため、

「どこに買えばいいのか?」

「まだ上がるのか?今が売り時なのか?」

がわかりにくくなっているのが現状です。

 

そこで、この記事では、過去30年間の千葉県の土地価格を追いかけることで、

  • なぜ、千葉県の住宅地は、27年連続で下げ続けているのか?
  • この5年間で上昇している不動産の特徴は何か?
  • 今後の千葉県の土地価格がどうなるのか?

について、解説していきます。

 

千葉県の不動産市場が、どのように動いてきて、これからどのように動くのか、が理解できれば、今後の購入、または売却の役に立つはずです。

 

1、これまでの千葉県の土地価格の動き

最初に千葉県の過去30年間の土地価格の流れを追っていきます。

この大きな流れを知ることで、「どんな地域が下げているのか?」その理由がわかるはずです。

 

(1)千葉県の土地価格が、27年間も下げ続けている理由とは?

全国の住宅地を見ると、1991年(平成3年)が1番高い時期だったようです。

千葉県の公示地価(住宅地)もピークは平成3年で、その上昇率ははるかに高く、その反動も大きく、かなり急ピッチで下落していきました。

 

 千葉県の公示地価(住宅地)は、平成3年ごろがピーク

千葉県の過去30年間の公示地価

(参考:国土交通省 地価公示)

 

それから、2013年まで、22年間も下げ続けました。

 

その大きな理由は3つあります。

  • 不良債権処理で、不動産市場が崩壊
  • 宅地の拡大が止まらない
  • 家を建てる人が減った

の3点です。

 

 土地価格が下がる理由①:不良債権処理で不動産市場が崩壊

不動産バブルの1991年(平成3年)からの数年を除くと、大きく下げ始めたのは1998年ごろからでした。

1997年の11月に山一證券が破綻、拓銀や日債銀行など、大手都市銀行もつぶれて、不良債権問題が大きくなり始めていたタイミングと一致します。

 

千葉県の公示地価と貸出残高

(参考:国土交通省 地価公示) 日銀 時系列統計データ検索サイト)

 

この頃は、金融機関による「貸し剝がし」が話題になってましたよね。

多くの会社がこの貸し剝がしによって倒産してしまい、借入れの担保としていた自宅や工場などの不動産が競売に出されました。

その結果、土地価格がどんどん下がっていったのです。

 

 土地価格が下がる理由②:宅地の拡大が止まらない

土地価格が下がれば、買う人が増えてきます。

千葉県の着工戸数を見ると、何度か盛り上がっている時期がありますよね。ですが、一貫して下げ続けています。

なぜでしょうか?

 

千葉県の新築の戸数推移

(参考:国土交通省 地価公示 総務省統計局 建設着工統計)

 

その理由は2つあります。

 

ⅰ そもそも、宅地がどんどん増えている

1つは、宅地がどんどん広がっているからです。

市街地にある農地は、この30年間で6,600ヘクタールから1,600ヘクタールまで、ほぼ1/4になりました。

 

また、市街地から離れたエリアでも宅地化が進んでいるため、毎年400〜600ヘクタールのペースで増えてきたのです。

1ヘクタールは約3,000坪ですので、30坪の宅地が100戸建ちます。

ということは、年間4〜6万戸分の広さの宅地が増え続けてきたわけです。

 

千葉県の宅地面積の推移

*市街化区域農地には、介在田畑を含む。

*1993年に農地面積が大きく減少しているのは、生産緑地になって対象外となったため

(参考:総務省 固定資産の価格等の概要調書)

 

千葉県内で働く場合には、車での移動の方が生活しやすい人も多いでしょう。

しかも、法律による後押しもありました。

 

2000年の都市計画法の改正で、市街化調整区域でも家が建つようになった

2000年に都市計画法が改正されました。

この法律の改正によって、市街化調整区域(主に市街地から離れた農地)でも自治体がOKすれば、住宅地を作ることができるようになったのです。

 

大店立地法で、ショッピングモールが簡単に建つようになった

ショッピングモールの駐車場

 

さらに、同じ2000年に大店立地法(大規模小売店舗立地法)も成立して、イオンモールなどの大きなショッピングモールがカンタンに建てられるようになりました。

  • 2000年3月:イオンモール成田
  • 2000年9月:イオンモール千葉ニュータウン
  • 2006年11月:ららぽーと柏の葉
  • 2007年3月:流山おおたかの森SC
  • 2012年4月:イオンモール船橋
  • 2013年12月:イオンモール幕張新都心

などなど、かなりの大規模なモールができるようになりました。

駅前で駐車料金を払って買い物をするよりも、郊外のショッピングモールで買い物をした方がいいですよね。

そのため、多くの人が郊外に家を建てるようになっていったのです。

 

 土地価格が下がる理由③:家を建てる人が減った

そのような流れの中で、さらに追い討ちをかけるように、今度は家を建てる人が減ってきました。

2008年までは4.5万戸あった着工戸数が、ほぼ3万戸から増えなくなったのです。

 

千葉県の着工戸数は、4.5万戸→3万戸の3割減へ

千葉県の新築の戸数推移

(参考:国土交通省 地価公示 総務省統計局 建設着工統計)

 

家を建てる世代が減った

家を建てる人の平均年齢は、戸建てで36.9才だそうです。

ですが、千葉県の30代の人口は、2007年にピークを打っていました。ちょうど、住宅の着工戸数が落ち始めるタイミングだったんですね。

 

千葉県の30代人口の推移

(参考:総務省統計局 建設着工統計 総務省 住民基本台帳に基づく人口))

 

ようやくこの5年ぐらいで明るい話題も出てきましたが、すでに98万人→74万人(2007年→2017年)と24万人も減っていました。

そのため、着工戸数も伸びなくなっているのです。

 

まとめると、

  • 不良債権問題で、市街地の不動産が投げ売りされた
  • 宅地がどんどん増えていって、以前からある土地が求められなくなった
  • 家を買う若い人が減った

という理由から、土地価格が上がりにくくなっているんですね。

 

2、この5年間の千葉県の土地価格の動き

しかし、この5年間を見ると、全国的に土地価格が上昇に転じ始めています。千葉県でも一部の地域では、その流れに乗っています。

その特徴をここから詳しくみていきましょう。

 

(1)アクアライン周辺で、土地価格が上昇している

過去5年間の公示地価(住宅地)の動きを見ると、アクアライン周辺の君津市や木更津市を中心に上昇しています。

 

千葉県の過去5年間の公示地価の変化率

千葉県の公示地価の変化率

(参考:国土交通省 地価公示)

 

君津市、木更津市の土地価格が本格的に上昇し始めたのは2013年からで、住宅ローン金利が一気に引き下がったことがきっかけだったのではないかと思われます。

また、木更津市や君津市は車での移動が基本ですから、ニュータウンに対する需要が高いです。この頃から相次いでニュータウンやマンションが建ち始めています。

 

15万/坪ぐらいなので、40坪でも600万円ですから、かなり土地価格も安いですし、潜在的な購入層を刺激したのでしょう。

 

一方で、全国的な動きはちょっと違います。

全国の不動産価格指数を見ても、この5年間で上昇したのは、戸建てではなくマンションでした。

 

不動産価格指数

(参考:国土交通省 不動産価格指数(住宅地))

 

「職住近接」という言葉をたまに聞きますよね。共働きで子持ちの世帯では、保育園への送り迎えなども考えると、通勤に時間をかけてられません。

そのため、職場に近い駅近のマンションが人気化したため、オフィス街に近い地域の住宅地も一緒に上昇してしまった、という状況なのです。

 

(2)都心部と、一部の郊外で局地的に人口が増加している

そのため、つくばエクスプレス沿線沿いの流山市など、都心への通勤圏の都市の人口が増加しています。

また、印西市の人口も増えています。イオン千葉ニュータウンがありますし、土地に余裕があるため、千葉市近郊の若い世帯の流入が続いているのでしょう。

 

千葉県の過去5年間の人口の変化率

千葉県の人口の変化率

(参考:千葉県 市区町村別人口)

 

土地価格が激しく上昇している君津市では、人口は減少していますが、隣の木更津市、袖ケ浦市では増加しています。

君津市は面積が広いので、東京湾沿いのエリアでは人口は増えているものの、内陸部での減少が進んでいるためでしょう。

 

(3)同じ地域でも、駅からの距離によって、上昇率が違う

職場に近い利便性の良い場所に人が増えているのであれば、駅から近い地域の方が人気が出ますよね。

過去5年間の公示地価(住宅地)の変化率を駅からの距離(1分=80m)で分けて調べてみたところ、駅からの距離が離れていくほどに、上昇率が下がっていく傾向にありました。

 

駅からの距離で見たときの公示地価(住宅地)の上昇率

 5分以内5-10分10-15分15-20分20-25分25-30分30分以上
君津市、木更津市4.9%11.4%24.5%23.0%13.3%16.0%23.6%
その他市町村3.2%2.2%0.5%-1.3%-1.7%-2.7%-3.3%
千葉県全体3.3%2.4%1.3%0.5%-1.2%-1.6%0.7%

(出典:国土数値情報ダウンロードサービス)

 

君津市、木更津市では、車での移動がメインなため、土地価格の安いニュータウンで土地価格が上昇しています。

ですが、それ以外の地域では、20分以上離れたあたりから、需要が一気に鈍るようです。都心部への通勤客を相手にした場所と、地元で働く人たちを相手にした土地では、土地価格の動きが違うようですね。

 

3、オリンピック後の千葉県の不動産はどうなるのか?

このような状況の中で、千葉県の今後の土地価格に影響を与える要素が2つあります。

それは、

  • オリンピック選手村のマンションが大量放出
  • 2022年問題

の2点です。

 

(1)選手村に使われるマンション約5,000戸が、大量供給される

東京オリンピック後の土地価格は、おそらく千葉県がもっとも影響を受けるのではないかと予想されます。

というのも、オリンピック後に選手村にかなりのマンションが放出されるからです。

「お買い得マンション」が五輪後にかつてないほど増えそうな理由
2020年の東京五輪・パラリンピックを機に、東京では過去に例がないほど大量のマンション供給が行われる可能性がある。しかもそれはかなり「お買い得」なはずだ。公開抽選で誰にでもチャンスが生まれる可能性が高い。どうしてそうなりそうか、説明しよう。

 

「都心は高すぎるから、千葉の少し安いところにマンションを買って、そこから通勤しよう」というニーズを千葉から奪ってしまう可能性があるのです。

 

(2)さらに2022年問題で、生産緑地が宅地に解禁になる

2022年問題とは、

「都市部にある農地が、宅地に解禁になることで、土地価格や家賃が下落するだろう」

と言われている問題です。

 

生産緑地

→全国に約3,989万坪、戸建てで約133万戸分の広さになります。

生産緑地が解禁になる2022年問題で、日本の不動産はどうなるのか?
生産緑地が解禁になる2022年問題によって、どのような影響が起こるのか?どこの市町村に多く分布しているのか?を解説します。

 

実は、千葉県はこの生産緑地が6番目に多く、しかも千葉市よりも都心部に近いエリアに多く集中しているのです。

千葉県の生産緑地の分布

千葉県の生産緑地の分布

(出典:都市計画区域、市街化区域、地域地区の決定状況)

 

1ヘクタール(ha)は、約3,000坪ですので、30坪の戸建てで100戸分になります。ピンクと赤のエリアは、100ha以上ある地域なので、1万戸以上の家が建つ可能性があるのです。

 

湾岸に大量供給されるマンションで、千葉県からの通勤ニーズを取り込んでしまうタイミングで、さらに宅地が増えるわけです。

土地価格にも大きな影響を与えるのではないでしょうか?

 

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