青森県で土地価格が上がる不動産の特徴とは?今後はどうなる?

青森県

青森県のここ5年間の土地価格を見ると、住宅地で10.3%のマイナスと全国で5番目の下落率でした。

下落率が1番だったのはお隣の秋田県です。

 

東北6県の公示地価の推移

(参考:国土交通省 地価公示)

 

東北6県の過去5年間の土地価格を見ると、震災を受けた岩手、宮城、福島とそれ以外の県とでは、全く違う動きを見せていました。

 

でも、「そこまでひどい状況か?」と思ってしまいますよね。

そこで、青森県の公示地価266地点を詳しく調べてみたところ、5%以上の上昇をしている地点もいくつかありました。

決して、全ての地域がひどいわけではないのです。

 

そこで、この記事では、過去30年間の青森県の土地価格を追いかけることで、

  • なぜ、青森県の住宅地は、18年連続で下げ続けているのか?
  • この5年間で上昇している不動産の特徴は何か?
  • 今後の青森県の土地価格がどうなるのか?

について、解説していきます。

 

不動産を買いたい人にも、売りたい人にも参考になるはずです。

 

1、これまでの青森県の土地価格の動き

(1)18年連続で土地価格が下落している理由とは?

バブルの真っ只中の1988年から、青森県の公示地価の動きを見ていくと、意外なことに住宅地のピークは、ITバブルのあった平成11〜12年(1999〜2000年)ごろでした。

住宅バブルが盛り上がらなかった分だけ、息が長かったと言えます。

 

 青森県の公示地価は、平成11〜12年ごろがピーク

過去30年間の青森県の公示地価(住宅地)の推移

(参考:国土交通省 地価公示)

しかし、この頃から青森県の土地価格は18年連続の下落を続けています。

その大きな理由は3つあります。

  • 人口減少がきつい
  • 郊外のショッピングセンターが人気で、中心街が空洞化
  • 家を建てる人が減った

の3点です。

 

 土地価格が下がる理由①:人口減少がきつい

青森県、青森市の人口推移

(総務省 国勢調査)

 

やはり1番大きいのは、人口の減少でしょう。2005年から2015年にかけて、青森市では人口が約10%下げています。

公示地価も2003年ごろがピークですので、人口の減少とともに、大きく下げているのがわかります。

 

公示地価は、人口の多い都市の影響が大きいため、2000年から人口が下げ始めた青森市の土地価格の下落に大きく影響を受けているのです。

 

 土地価格が下がる理由②:郊外のショッピングセンターが人気化して、中心街が空洞化した

では、なぜこれほど急激に人口が減少していったのでしょうか?

その理由は、郊外のショッピングセンターが増えて、中心街が空洞化したためです。

 

青森県の就業者数の推移

(参考:国土交通省 地価公示 国勢調査 人口の労働力状態,就業者の産業・職業)

 

ご覧の通り、2000年ごろから青森県内の働く人は、かなり大きく減少しています。

 

大店立地法で、ショッピングモールが簡単に建つようになった

ショッピングモールの駐車場

 

2000年と言えば、大店立地法(大規模小売店舗立地法)が成立して、イオンモールなどの大きなショッピングモールがカンタンに建てられるようになった年です。

 

・2002年4月:ラセラ東バイパスショッピングセンター

・2007年9月:ドリームタウンAli

・2008年3月:イオンタウン青森浜田

・2009年4月:シンフォニープラザ沼館

 

などなど、かなりの大規模なショッピングセンターができるようになりました。

そのため、市街地の小売店の売り上げが下がり、廃業する事業者が続出し、就業者数が減少していったのです。

 

中心街がどんどん寂れていけば、若い人も他の場所で仕事を探すようになります。

家を建てる中心世代の30代の人口も、2006年をピークに減少を続けています。

 

青森県の30代人口の推移

(参考:総務省統計局 建設着工統計 総務省 住民基本台帳に基づく人口))

 

 

 土地価格が下がる理由③:郊外にどんどん家が建ってしまう

青森県の宅地面積を見ると、市街化区域の農地が宅地になる以上に多くの面積が増えています。

 

青森県の宅地面積の推移

*市街化区域農地には、介在田畑を含む。

(参考:総務省 固定資産の価格等の概要調書)

 

農業で生計を立てる世帯も、この30年間で400万世帯から200万世帯まで、約半分に減ってしまいました。

利用されなくなった農地を宅地にしたい人はたくさんいるのです。

しかも、ショッピングセンターが増えて、郊外に住むほど買い物が便利になっています。そのため、市街地を中心に土地価格が下落し続けているんですね。

 

まとめると、

  • ショッピングセンターが増えて、小売業を中心に働く人が激減した
  • 働く人が減っているので、家を建てる人も減っている
  • しかも郊外に建てた方が安いし、買い物に便利

という理由から、市街地の土地価格が下がり、郊外に家が建つ流れが止まらないのです。

 

2、この5年間の青森県の土地価格の動き

ここまで30年間の流れを見てきましたが、オリンピック期待もあって、都心部では不動産市場もかなり盛り上がっています。

そこで、市区町村別に青森県の土地価格を詳しく見ていきたいと思います。

 

(1)県内の大都市ほど、下落率が大きい

過去5年間の公示地価(住宅地)の動きを市区町村別に見ると、人口の多い都市ほど下落率が大きい印象です。

青森市:-10.6%

弘前市:-8.4%

八戸市:-8.1%

と軒並み5%以上も下落をしています。

 

 青森県の過去5年間の公示地価の変化率

青森県の公示地価の変化率の分布

(参考:国土交通省 地価公示)

 

住宅地で上昇しているのは、弘前市の一部だけ

 

弘前駅の周辺で2地点上昇していました。

  1. 弘前市大字城東中央(+6.3%)
  2. 弘前市大字田園(+6.0%)

 

もともと弘前市は、青森市や八戸市よりも土地価格が安かったのも理由の一つだと思います。

 

他の県を見ると、県庁所在地の方が、土地価格が安定している傾向にありますが、青森市はその逆を行っています。

アウガが破綻して、その後の駅前の開発も進まないため、建て直しに時間がかかっているようです。

 

 過去5年間の人口の変化率

また、人口もこの5年間で5.4%も減少しています。

六戸町やおいらせ町で人口が増えていますが、土地価格の安い場所に家を建てたい人が八戸市や十和田市から流れているのでしょう。

そのため、土地価格の上昇にはつながっていません。

 

青森県の人口変化率の分布

(参考:青森県 市区町村別推計人口)

 

3、これから青森県の不動産はどうなるのか?

このような土地価格の下落と人口の減少の流れは、これからも続くでしょう。

しかし、これまでの「土地価格の安い郊外に、家がどんどん増えていく」という流れは、少し止まっていく可能性があります。

 

というのも、青森市を含めた多くの自治体では「立地適正化計画」という計画をたてて、家を建てる地域を制限していく動きが出ているからです。

「立地適正化計画」で売れなくなる不動産を見分ける方法
立地適正化計画の詳しい内容と、その影響について解説します。売れなくなる不動産を見分ける際の参考になるはずです。

 

立地適正化計画とは?

立地適正化計画とは、「住んで欲しい地域(居住誘導区域)」と「そうでない地域」にわけることで、今後の行政サービスや商業施設の建設に格差をつけようとする計画です。

これまで青森市では、市の中心部を魅力的にしていくことで、郊外に住んでいる人たちを市街地に呼び寄せようと働きかけてきました。

商業施設のアウガはその代表例だったわけです。アメとムチで言えば、アメの政策ですね。

 

ですが今後は、郊外のエリアの行政サービスを減らして不便にすることで、市街地に呼び寄せようと働きかけようとしているのです。アメとムチで言えば、ムチの政策です。

例えば、

・バスの運行を減らす

・ニュータウンや、商業施設を建てる場合には届け出が必要

・福祉センターなどの公共施設の削減

などが進められていくのです。

 

 青森市の立地適正化計画図

青森市の立地適正化計画

(参考:青森市 立地適正化計画の概要)

 

赤と濃い緑、青色のエリアが重点地域で、特に赤色のエリアには、病院や商業施設、銀行などを誘致していく予定です。

「車があるから大丈夫」という人もいるでしょう。確かに車さえあれば、いきなり不便になることはないでしょう。

 

しかし、車を使わない高齢者にとっては、このエリア分けで不便を感じることも増えていくでしょう。土地価格にも、このエリアの「内」と「外」とでは、今後格差が出てくるはずです。

 

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