秋田県で土地価格が上がる不動産の特徴とは?今後はどうなる?

秋田県

秋田県のここ5年間の土地価格を見ると、住宅地で15.8%のマイナスと全国で1番目の下落率でした。

それに対して、宮城県は全国1位の上昇率となっています。

 

秋田県の公示地価の推移

(参考:国土交通省 地価公示)

 

東北6県の過去5年間の土地価格を見ると、震災を受けた岩手、宮城、福島とそれ以外の県とでは、全く違う動きを見せていました。

 

「そこまでひどい状況か?」と思ってしまいますよね。

そこで、秋田県の公示地価193地点を詳しく調べてみたところ、2〜3%しか下げていない地点もいくつかありました。

決して、全ての地域がひどいわけではないのです。

 

そこで、この記事では、過去30年間の秋田県の土地価格を追いかけることで、

  • なぜ、秋田県の住宅地は、18年連続で下げ続けているのか?
  • この5年間で上昇している不動産の特徴は何か?
  • 今後の秋田県の土地価格がどうなるのか?

について、解説していきます。

 

不動産を買いたい人にも、売りたい人にも参考になるはずです。

 

1、これまでの秋田県の土地価格の動き

(1)18年連続で土地価格が下落している理由とは?

バブルの真っ只中の1988年から、秋田県の公示地価の動きを見ていくと、意外なことに住宅地のピークは、ITバブルのあった平成11〜12年(1999〜2000年)ごろでした。

住宅バブルが盛り上がらなかった分だけ、息が長かったと言えます。

 

 秋田県の公示地価は、平成11〜12年ごろがピーク

過去30年の秋田県の公示地価の推移

(参考:国土交通省 地価公示)

しかし、この頃から秋田県の土地価格は18年連続の下落を続けています。

その大きな理由は3つあります。

 

 土地価格が下がる理由①:家を買う年代が減っている

平成28年の調査によると、戸建てを購入する平均年齢は、36.9才だそうです。平成11年ごろならば、もう少し若かったでしょう。

しかし、秋田県の年齢別の人口を見ると、若い人ほど減少している傾向にあります。全国平均で比べて見ても、高齢者が多く、若い人が少ないことがわかりました。家を買う年代がどんどん減っているため、土地価格が上がらないのです。

 

秋田県の年齢別人口の構成比

(参考:国土交通省 地価公示 総務省 住民基本台帳に基づく人口)

 

 土地価格が下がる理由②:家を買える人が減っている

秋田県は、他の都道府県に比べても平均年収が低く、全国平均よりも2割も安くなっています。家を買う若い世代は、もっと年収が低くなりますから、おそらく手取りは12〜14万円ぐらいになります。

結婚するのを躊躇する人もいるでしょうし、家を買う人も減っているのです。

 

秋田県の平均年収の推移

(参考:国土交通省 地価公示 総務省 市町村税課税状況等の調)

 

 土地価格が下がる理由③:車があるので、郊外の方が住みやすい

この5年間で給料は少しずつ上昇してきましたが、新築の戸数を見てみると、ほとんど増えていないことに気づきます。

そのため、土地価格もなかなか上昇する気配がありません。

 

秋田県の新設着工住宅戸数の推移

(参考:国土交通省 地価公示 総務省統計局 建設着工統計)

 

それに加えて、土地価格の高い街の中心部ではなく、郊外に家を建てる人が大多数を占めるようになりました。

車での移動が基本となって、郊外のショッピングセンターに行く生活スタイルが定着したため、土地価格の安い地域で家を建てる人が増えているのです。

 

他県を見ると、新築の戸数は増えているのに、土地価格が全然上がらない地域も珍しくありません。それは、土地が余っている郊外に家を建てるからなんですね。

 

(2)なぜ、この5年間で秋田県の不動産は上がらなかったのか?

しかし、上で挙げたような、

・若い人が減って、家を建てる人が減っている

・給料が上がらない

といった理由は、多かれ少なかれ全国的に起こっていることです。

ではなぜ、上昇している地域とそうでない地域があるのでしょうか?

 

その1番大きな理由は、「経済的に盛り上がっているかどうか」が原因でした。2010年代に入って、日本には3つの大きな流れが生まれています。

 

それは、

・2011年の震災による復興需要

・2020年のオリンピック開催決定→外国人観光客の増加

・日銀の異次元緩和で円安→輸出企業の利益が増加

の3点です。

 

この3つの動きに影響を受けた地域だけが、土地価格が上昇しているのです。それぞれの地域の特徴をまとめるとこうなります。

 

 土地価格が上昇している地域の特徴

上昇している地域の特徴

 

代表的な都市だけを取り上げていますが、その周辺の都市でも上昇していますし、それ以外の都道府県でも上昇しているところもあります。

また、このように経済が盛り上がって住宅地が上昇しているということは、主に通勤需要による上昇です。

 

駅に近い土地には限りがあるので、住みたい人が増えれば競争になりますので土地価格が上がりやすいのです。

しかし、車での通勤が普通の地域では、住める場所は格段に増えるので、土地価格が上がりにくくなるんですね。

しかも、郊外にショッピングセンターができてしまえば、町中に買い物に行く理由も見当たらなくなりますからね。

 

ちょっと前置きが長くなりましたが、秋田県の土地価格が上昇しなかった理由が、これで何となくわかったのではないでしょうか?

この5年間で、経済的に盛り上がるきっかけがほとんどなかった、ということだったんですね。これは青森県にも共通することでした。

 

(3)県内の大都市ほど、下落率が大きい

そのため、過去5年間の公示地価(住宅地)の動きを市区町村別に見ると、ほとんどの都市で、10%以上の下落をしています。

 

 秋田県の過去5年間の公示地価の変化率

秋田県の公示地価の変化率の分布図

(参考:国土交通省 地価公示)

 

 過去5年間の人口の変化率

また、人口もこの5年間で6.6%も減少しています。

都市部へ人口が流れやすい傾向にあるため、秋田市の人口の減少率はまだ3.6%のマイナスと小幅ですが、それ以外のほとんどの都市では、5%以上も減少しています。

これだけ減少スピードが早いと、相続後に不動産を売る人が増えるため、土地価格も下がりやすい状況になってしまいます。

 

秋田県の人口変化率の分布図

(参考:秋田県 市区町村別推計人口)

 

2、これから秋田県の不動産はどうなるのか?

このような土地価格の下落と人口の減少の流れは、これからも続くでしょう。

しかし、これまでの「土地価格の安い郊外に、家がどんどん増えていく」という流れは、少し止まっていく可能性があります。

 

というのも、秋田市を含めた多くの自治体では「立地適正化計画」という計画をたてて、家を建てる地域を制限していく動きが出ているからです。

「立地適正化計画」で売れなくなる不動産を見分ける方法
立地適正化計画の詳しい内容と、その影響について解説します。売れなくなる不動産を見分ける際の参考になるはずです。

 

(1)立地適正化計画とは?

立地適正化計画とは、「住んで欲しい地域(居住誘導区域)」と「そうでない地域」にわけることで、今後の行政サービスや商業施設の建設に格差をつけようとする計画です。

これまで秋田市では、市の中心部を魅力的にしていくことで、郊外に住んでいる人たちを市街地に呼び寄せようと働きかけてきました。

商業施設の秋田オーパなどはその代表例だったわけです。アメとムチで言えば、アメの政策ですね。

 

ですが今後は、郊外のエリアの行政サービスを減らして不便にすることで、市街地に呼び寄せようと働きかけようとしているのです。アメとムチで言えば、ムチの政策です。

例えば、

・バスの運行を減らす

・ニュータウンや、商業施設を建てる場合には届け出が必要

・福祉センターなどの公共施設の削減

などが進められていくのです。

 

 秋田市の立地適正化計画図

秋田市の立地適正化計画図

(参考:秋田市 立地適正化計画の概要)

赤と濃い緑、青色のエリアが重点地域で、それ以外の地域は今後不便になっていきます。

「車があるから大丈夫」という人もいるでしょう。確かに車さえあれば、いきなり不便になることはないでしょう。

 

しかし、今後はこのエリア「内」とエリア「外」では、土地価格に大きな格差がつく可能性があると思います。

 

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