日本株ってバブルなの?量的緩和の影響を解説

日本株はバブルなのか? 資産運用

この記事では、「日経平均がなぜこれまで上昇してきたのか?」そのカラクリを解説します。

日経平均株価が1万円を割れていたのは、つい5年ほど前の2013年の3月頃でした。

それがアベノミクスが始まり、日銀の総裁に黒田総裁が就任して異次元緩和を始めたことで、ほぼこの5年間は上がりっ放し。なぜこんなに上がっているのか、よくわからない人も多いと思います。

そこでこの記事では、いくつかのデータと日経平均株価の動きの関係を見ながら、これからどうなるか?も含めて考えていきたいと思います。

 

日銀がやっている量的(異次元)緩和とは?

まずはじめに押さえておきたいのは、「量的緩和」という言葉です。量的緩和とは、日銀がお金をたくさん刷って、国債や株(ETFやリート)などを買っていくことです。

日銀の株や国債の資産残高の推移

(出典:日銀 資金循環統計)

どんどん買い上がってますよね。なぜ、こんなことをするかというと、

1、銀行に企業や個人にお金を貸すように仕向けるため

今まで銀行は、預金者からお金を集めて、金利1%ぐらいの国債を買っておけば、何もしなくても儲かってました。

でもそんなことばかりやっても景気が良くならないので、銀行から楽して儲かる国債を取り上げて、「お金を貸して本業で儲けろよ!」とハッパをかけようとしたのです。

 

2、インフレにして借金をチャラにしたいため

今の80代、90代の方は、意外なことに保険が嫌いな人が多いです。というのも、戦前に保険に入っていて、戦後のインフレで紙切れになった経験を知っているからです。

このように、インフレになると今までのお金の価値が下がりますから、今で言えば借金の返済が軽くなります。国の借金は1,000兆円を超えてしまって、もうこのままじゃ返せないとみんな諦めてますよね。

ですが、インフレになって私たちの給料が月給500万円ぐらいになれば、GDPも今の500兆円から5,000兆円ぐらいに上がるので、簡単に借金の返済もできるようになります。

黒田総裁は物価上昇率が年率2%を超えるように目指すと言ってますが、つまりはそうなっていけば、借金の負担が軽くなるからなんですね。

 

こうやって日本の株は上昇してきた

で、日銀はこうやって国債や株を買ってきたわけですが、それはどこに影響を与えたかというと、

・年金の運用資産が、国債→株へと乗り換えが進んだ

日経平均と年金基金の国内株比率

 

(参考:GPIF 年金積立金管理運用独立行政法人)

年金資産が、日銀にそれまで運用していた国債を取り上げられたので、国内債券の比率が大きく下がりました。余ったお金はしょうがないので、株を買うことに使っています。

そのため、日経平均が上昇するペースに合わせて、年金資産の国内株比率が上がっています。反対に、国内債(主に国債)の比率は大きく下がっているわけです。

年金基金GPIFは、国内株の比率を25%±10%というルールで運用していて、すでに25%を越えていますが、「行動をやめることはない」と言ってますので、まだまだ増やすつもりでしょう。

(参考記事:日経新聞 2018.7.6 市場のクジラ お腹いっぱい GPIF「運用目安」越え )

 

・ゆうちょ銀行の運用資産が国債→外債・投資信託へと進んだ

それだけではありません。ゆうちょ銀行の運用資産の大部分も、これまで国債でした。

ですが、この国債も日銀が買ってしまいました。

その結果、ゆうちょ銀行の運用資産は、国債から外債や投資信託へとシフトしてしまったのです。20兆円近くのお金が、円から主にドルへと替わっていきました。

それまで100円を割れていた円ドル相場も、120円まで円安が進みましたよね。

トヨタはそのおかげで利益2兆円企業となりましたし、日経平均が上昇していることの裏付けとなりました。

ゆうちょ銀行の国債と外債等の残高推移

(出典:ゆうちょ銀行 有価証券報告書 会計検査院 日本郵政グループの経営状況等について

このように、日銀は日本国内の国債をどんどん買い占めていくことで、他の運用機関に日本株や外債を買わせる方向へと追い込んでいるのです。

日本株を直接買えば、株価は上がりますし、外債へ投資をすれば円安になり、やっぱり株価は上がります。

この異次元緩和は、日銀の黒田総裁になってからガンガンやるようになっていますが、黒田総裁はつい最近再任されて2023年まで任期が延期されました。

この政策はまだまだ当分続くでしょう。

 

このまま行って大丈夫なの?

例えば、1番最初のグラフで見ると、日銀が400兆円以上の国債を買ってるわけです。この調子であと700兆円買ぐらい買えば、日本の国債を全部日銀が持つことになります。

国の借金を日銀が全部持ってるのなら、いつも騒がれる借金問題とか全部チャラになりそうじゃないですか?

消費税を上げる必要もありませんよね。

 

でも、それって何だかおかしいような気がしますよね。その前の段階で、それって「インチキだろ!」と周りの国が言い始めそうじゃないですか。

これまでは、先進国の中心となるアメリカ、日本、ヨーロッパ(EU)の3つの地域で量的緩和をしてきました。だから、どこの国も「どっちもどっち」なので、あんまり問題になって来なかったんですよね。

 

しかし、ここに来てアメリカとヨーロッパは、「いい加減このまま続けても意味なくね?このままヤバイやつだと思われても嫌だし。」ということで、量的緩和政策を縮小し始めています。

アメリカでは昨年から買い込んで来た資産を売却したりして、資産を縮小させています。

FRBの資産残高の推移

(出典:FRB)

 

また、ヨーロッパは、つい先月6月に量的緩和政策を年内に終了させると発表しました。

(参考記事:ダイヤモンドオンライン2018.6.18 欧州の量的緩和がついに終了へ、利上げ開始をめぐる深謀遠慮)

 

つまり、これまでのアメリカ、日本、ヨーロッパの「危ないもの同士」のバランスは、今回解消されたわけです。今のところ、危ない雰囲気はありませんが、徐々にその影響が出てくるかもしれません。

この辺りの事情については、今後も引き続き追っていきたいと思います。

 

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