10分でできる「あなたの不動産」を自分で査定する方法

土地価格の調べ方 調べ方

この記事では、「あなたの不動産が、今の時点でどうなっているのか?」を調べる方法について解説しています。

これを読み終わった時点で、ネット上で調べられる「あなたの不動産の情報」についての全てがわかるように作りました。

 

そのため、文字数もちょっと多めです。5000字ぐらいあるので、全部読むのに10分ぐらいかかるかもしれません。

ですが、図もふんだんに使っていますし、難しいことが書かれているわけではありません。

  • 全部読んで、今後どうすればいいか考えること
  • 知りたいポイントを読んで、実際に調べること

のどちらにも使えるようになっています。

で、具体的な内容についてですが、

  1. 売るに売れない不動産になっていないか?まだ大丈夫か?
  2. いくらぐらいで売れるのか?
  3. これから売れない不動産にならないか?
  4. 売れるまでにどれぐらい時間がかかるのか?
  5. どこの業者に頼めば、高く売ってくれるのか?

こういったことの確認をすることができます。

特に、相続した不動産を持っていて、これからどうしようかと考えている人にとっては、有益な情報ではないかと思います。

では、さっそく参りましょう。

 

1、売るに売れない不動産になっていないか?まだ大丈夫か?

「売るに売れない不動産」とは、文字通り、売り出しても全然見向きもされない不動産のことです。その見分け方の1つの目安が、「地域の取引件数」です。

実は、不動産の取引件数は、けっこう簡単に調べることができます。

利用するサービスは、国土交通省が運営している「土地総合情報システム」というサイトです。

<土地総合情報システム>

 

土地総合情報システムとは?

国土交通省が運営している、不動産価格を調べることができるサービスです。

  • アンケートで集めた不動産の取引価格の情報
  • 公示地価や基準地価

について調べることができます。

 

使い方を解説します。まずは上の図の通り、画面左側にある「不動産取引価格情報検索」というボタンをクリックします。

すると、こんな画面が出てきます。

 

土地総合情報システムの検索画面

 

地図でも調べられますが、左側の選択画面から選んだ方がスムーズに調べられます。

2)種類を選ぶ(紫色の四角の枠):土地や宅地など、調べたい物件種類を選びます。今回は宅地(土地+土地と建物)を選びました。

3)地域を選ぶ(赤色の四角の枠):調べたい地域を都道府県から順番に選んでいきます。

今回は、

都道府県:東京都

市区町村:新宿区

地区:大久保

で調べました。

「この条件で検索」ボタンを押すと、下のような結果が出てきます。

<新宿区 大久保の土地取引の検索結果>

新宿大久保地区の不動産取引データ

紫の四角の枠に10件という検索結果が出ていますね。そして、その下に10件の取引データが出てきました。

また、その上には青い四角い枠に130件という表示がありますね。これが、この1年間で「新宿区 大久保」であった取引の全件数になります。

 

土地総合情報システムのデータについて

上の10件の取引の一覧は、国土交通省が取引をした人に対してアンケート調査をしているのですが、そのアンケートの回答数です。

つまり、大久保ではこの1年間で130件の土地(建物含む)取引がありましたが、そのうち10件分だけがアンケートに回答してくれたので、その取引内容を見ることができるのです。

 

また、130件の隣にある緑のボタン「取引件数の推移」をクリックしてみましょう。

すると、3ヶ月ごとの取引件数の推移を確認できます。

<新宿区 大久保の取引件数の推移>

新宿大久保地区の不動産取引件数の推移

地方や郊外では、この件数がかなり少ないケースが大半です。都心の新宿区の1地区でも3ヶ月で30〜40件なわけですからね。

ほとんど取引がなければ、「売るに売れない」可能性が高いと言えますね。簡単に調べられるので、ご自分の地区も調べてみてください。

土地総合情報システムはこちら

 

2、いくらぐらいで売れるのか?

取引件数があると分かれば、今度は気になるのが「いくらで売れるか?」ですよね。

まず最初に知っておいて欲しいのが、不動産の取引情報には “個人情報” が含まれるので、一般の人は見ることができません。

 

不動産会社はレインズというシステムを使って見ることできますが、一般の人には見れないように管理されていますし、不動産会社も守秘義務契約を結ばされています。

先ほどご紹介した土地総合情報システムの取引情報も、アンケートで許可を得た情報だけ見ることができるのです。

(ただし、個人が特定できそうな住所や、建物の詳細などについては伏せられています)

 

この前提があった上でですが、あなたの不動産の価格を知る方法は、大きく分けて2つあります。

  1. 不動産ポータルサイトなどで、売り出し価格を調べる方法
  2. 土地総合情報システムで、取引価格を調べる方法

の2点です。

似た物件の情報を調べることで、自分の不動産の価格を予想する「取引事例比較法」と呼ばれる算定方法で、不動産会社もよく使う方法です。

 

1の不動産ポータルサイトとは、SUUMO(スーモ)やHOME’S(ホームズ)などの、不動産の物件情報が掲載されているサイトです。使ったことがある方も多いでしょう。

しかし、このような不動産サイトで掲載されている売り出し価格は、「売りたい価格」であって「売れた価格」ではありません。

ですから、必ずしも相場を反映しているとは限りません。

 

一方で、土地総合情報システムのデータは、「売れた価格」ですから参考になります。

しかし、このデータはアンケートでの回答があった分しかないため、一部のデータから判断せざるを得ません。

先ほどの新宿区 大久保では、130件の取引のうち、わずか10件しかデータが見れませんでした。

地域によって回答率は異なりますが、全国平均の回収率は、昨年平成29年実績で見ると、161万件中わずか24万件で、約15%しかありませんでした。全体の7分の1しかわからないのです。

 

<東京都の場合:22.5万件中2.6万件で回収率は約12%>

東京都の昨年の取引件数

 

また、この取引情報は、個人情報がわからないように、住所などの表記がありません。実際にどの程度のレベルまでわかるのか、見てましょう。

ちょっとデータが横長なので、画像を2つに分けて解説します。

大久保地区の取引データの詳細1

 

赤枠で囲んでいるのが、最寄駅からの距離です。1分=80mで計算しています。新大久保駅、東新宿駅から近いということはわかりますが、詳しい位置関係はわかりません。

その隣には実際の取引価格が載っています。3桁目を四捨五入していますので、例えば、9,850万円で取引されたとしても、9,900万円と表示されています。

大久保地区の取引データの詳細2

 

さらに右側を見ると、このようなデータがあります。赤枠では、土地の面積と坪単価、㎡単価がわかります。空白になっているのは、建物も一緒に取引されているからです。

紫枠では、建物の面積、築年数などがわかります。

外観などの写真はありませんので、ちょっと参考にしにくいですよね。建物が参考になるのは、マンションや同じような建物が多いニュータウンのような地区の取引に限られるでしょう。

一般的には、土地取引の坪単価、㎡単価で相場を確認する、というレベルで使えるデータだと思います。

 

3、これから売れなくなる地区に当てはまらないか?

2025年問題という言葉をご存知でしょうか?

「団塊の世代が75才以上の後期高齢者になることで、医療費・介護費などの社会保障費が年間20〜30兆円増えて、自治体の公的サービスが維持できなくなる。」

という問題です。

<日本の社会保障費の推移と今後の予測>

(出典:2040年を見据えた社会保障の将来見通し(内閣府) 社会保障費用統計(国立人口問題研究所)

 

地域によって公的サービスの削減が始まる時期は違うかもしれませんが、あと数年以内に本格化するはずです。

具体的には、幼稚園や保育園、介護施設などの施設が統合、削減されていくのです。

当然、削減された地区は、今以上に子育てにも介護にも不便な地域になるため、新しく家を建てたいと思う人は減ります。地価も家賃も下がっていくでしょう。

 

では、どういう地域が大丈夫で、どういう地域がアウトになるのでしょうか?

その判断の基準となるのが「立地適正化計画(りっちてきせいか けいかく)」です。

日本全国に広がりすぎた住宅地を駅や市の中心地に集中させ、公的サービスにかかるお金を節約していこうというものです。

 

具体的には、

「都市機能誘導区域(下図の赤丸部分)」

「居住誘導区域(下図の青色部分)」

の2つを設定します。

そして、この区域以外に3戸以上の建売住宅や、スーパーなどの商業施設を建てる場合には、届け出を義務づけます。

区域の外に人が積極的に住みたくならないように誘導していくのです。

<立地適正化計画のイメージ>

この地域の中にあるかどうかによって、「地価が安定する地域」と「売るに売れなくなる地域」とに分かれていくでしょう。

2018年5月現在で161市区町村がすでに公表しているので、「地名+立地適正化計画」で検索すれば、その詳細を確認できるかもしれません。

もし、お住いの市区町村がまだ作成していなければ、別の記事でその傾向について詳しく解説しましたので、そちらをご参考ください。

→「2025年問題と売るに売れなくなる不動産の見分け方」

 

4、売れるまでの期間は、どうやって調べられるのか?

不動産の取引は、思っている以上に時間がかかります。

売れるまでの期間がわからないと、売却代金をあてにした住み替えや、相続税の納税が難しくなったりして、いろいろ困ることが起こります。

売れるまでの期間についてのアンケート調査がいくつかありますので、ザックリとですが傾向を見てみましょう。

 

1つ目は、アットホームの調査です。この調査によると、

マンションは平均6ヶ月

戸建ては平均11ヶ月

という結果でした。

<アンケート調査:不動産の売却にかかる期間>

不動産の売却期間のアンケート調査結果

(出典:アットホーム 売り手と買い手の気持ち調査)

 

2つ目は、東京カンテイによる中古マンションの「売り出し→成約(契約成立)」までの期間についての調査です。

こちらで見ると、マンションは平均3ヶ月程度と出ています。

(参考:中古マンションの売出・取引価格の乖離率と売却期間の推移(2005年~2014年)2015年3月)

 

これほどに違う理由は、アットホームの調査ではお金が入ってくる引き渡し期限も含まれているからです。

契約から引き渡し(お金が入ってくる)まで1〜2ヶ月かかるので、その分が上乗せされていると思われます。

そう考えると、「戸建てでは9〜10ヶ月ぐらいで買い手が見つかる(売買契約ができる)」と考えても良さそうですが、アットホームの調査での戸建ての平均築年数は約15年です。

 

つまり、ちょっとリフォームすれば、気持ちよく住み続けられそうな物件については9〜10ヶ月で売れている、ということなんですね。

逆に、相続した実家など、築数十年単位のものとなれば、1年以上かかることも珍しくはないのです。

 

では、あなたの不動産がどれぐらいの期間がかかるでしょうか?

これについては、残念ながらネット上で調べることは困難です。土地総合情報システムでも、調べることはできません。

しかし、不動産会社の取引情報の中には、売り出し開始日と契約日が載っています。

ですから、不動産会社に聞けば、似たような物件がどれぐらいの期間で売れているかを確認することはできるでしょう。

 

5、どこの業者に頼めば、高く売ってくれるのか?

不動産会社は、地域や物件によって得意・不得意があります。そのため、頼む業者によっては、高く売れたり、安く売れたりするので注意が必要です。

ライフルホームズの調査によると、査定額と実際に売却した価格と比較したところ、100万円以上安く売った人の割合は、全体の2割以上にもなりました。

中には500万〜1000万円以上も値下げして売却した人もいます。

 

不得意な業者に頼んでしまったために、安く売らざるを得なくなったのです。

<アンケート調査:査定額と実際の売却額の差について>

査定結果と売却額との差

(参考:ライフルホームズ 家を査定相場より高く売れる人、売れない人の差とは?)

 

このような失敗をしないためにも、得意な業者を見極める必要がありますが、その判断材料となるのは、その地域で、その業者がどれだけの取引実績があるかでしょう。

ですが、ほとんどの不動産会社では、HP上で取引実績を掲載していません。そのため、なかなか参考にしにくいのが現状です。

それでも、ある程度参考になるのは、SUUMOやアットホームなどの不動産サイトで、同じ地域の物件を扱っている会社を調べてみることでしょう。

<SUUMOの物件情報画面>

SUUMOの物件取り扱い業者

このように物件情報を見ると、問い合わせ先が表示されています。その地域の物件を取り扱っている件数が多い会社ほど、取引件数が多く、得意としている可能性がありますよね。

 

まとめ

というわけで、ここまで解説してきた5項目について表にまとめてみました。

 

<ネットで調べられること、調べられないこと>

 

不動産情報のまとめ

不動産会社に聞かないと、正確にわからない項目は、②の「価格」と、④の「売却までの期間」ですね。

また、⑤の「得意な業者」については、1社だけでは判断しにくいので、複数社に聞くことが重要になります。

 

とりあえず、自分の不動産が「売るに売れなくなりそうなのか?」が心配ならば、①と③を調べれば十分でしょう。

土地総合情報システムで取引件数を調べて、「地名+立地適正化計画」でお住いの地域の「都市機能誘導区域」と「居住誘導区域」に入っているかを確認すればOKです。

土地総合情報システムはこちら

 

また、売却も選択肢に入るのであれば、④の「売却までの期間」は早めに知っておいた方がいいでしょう。

地域や物件によって、大きく異なりますし、特に相続した実家であれば築年数も古いため、かなり時間がかかる可能性があるからです。

 

その場合には、一括査定を活用するのがオススメです。複数社から査定書をもらえるので、③以外の全てを調べることができますからね。しかも無料です。

下の記事(↓)に一括査定サービスの選び方をまとめていますので、興味のある方はこちらもご参考ください。

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