3分で図解。相続税の計算は、3ステップでできます

相続

2015年に相続税制が変わったことで、基礎控除が引き下げられ、税率も変更となり、相続税の申告者の割合は、4%から8%へと2倍近くに増えています。

特に日本人の財産の半分以上は不動産ですので、ここ5年間で土地価格が上昇している東名阪の3大都市圏では、2割以上の方が相続税の納税をしているとも言われています。

そこで、この記事では、相続税の計算方法を3ステップでわかるようにまとめました。最後に具体的に計算した例も載せましたので、ご参考になれば幸いです。

相続税を計算するための3ステップ

相続税の計算方法の流れは、3ステップに分けられます。

1、相続財産の評価額を合計する

2、相続財産から差し引ける金額を計算する

3、財産の合計額から控除額を引いた額に、税率をかける

です。

 

1、相続財産の合計額を調べる

1番めんどうなのが、相続財産の評価額を調べることでしょう。

現金や預金ならば、通帳を見ればいくらとわかりますが、それ以外の財産については、それぞれ評価方法が違うので注意が必要ですからね。

対象となる財産の種類が多いので、一覧表にしてまとめました。

財産の種類評価方法相続時の調査方法
現預金時価金融機関に問い合わせる
上場株式①死亡日の終値

②死亡月の平均価格

③死亡前月の平均価格

④死亡前々月の平均価格

*①〜④で1番低い価格

証券会社に問い合わせる
投資信託死亡日に解約請求をしたとして、解約できた金額金融機関に問い合わせる
土地路線価×面積で計算路線価図で自分で計算する
家屋固定資産税評価額毎年送られてくる固定資産税評価額の通知で確認
保険金契約上受け取れる金額保険証書で確認
家財道具自宅規模に応じて自宅規模に応じて
骨董品、車、ゴルフ会員権など実際の取引価格を参考にネット上で確認
借金などのマイナス資産

このように、相続財産は値段がつくものであれば、ありとあらゆるものが対象になります。逆に借金も相続財産に含めることができるので、相殺して計算する必要があります。

また、不動産の評価には、路線価図の調べ方を知らなければいけません。

こちらに詳しい計算の仕方をまとめていますので、ご参考ください。

相続での不動産評価の使い方は、2種類知らないと危ない

 

2、控除額を調べる

相続財産から差し引ける控除額には、いくつか種類がありますが、実際に使うことが多い3つの控除を押さえておけばいいでしょう。

(1)基礎控除

(2)死亡保険金の非課税枠

(3)配偶者特別控除

の3点です。

 

(1)基礎控除

基礎控除とは、全ての人が対象となる相続財産から差し引くことができる金額のことです。2015年以降の基礎控除額は、

基礎控除額=3,000万円 + (600万円 × 法定相続人数)

で出すことができます。

例えば、法定相続人が奥さんと子供2人の場合には、

基礎控除額=3,000万円 + (600万円 × 3人)=4,800万円

となります。

 

(2)死亡保険金の非課税枠

また、これに加えて、生命保険に加入している場合には、法定相続人 × 500万円までの死亡保険金は非課税になります。

上の例で言えば、500万円 × 3人=1,500万円までの死亡保険金が入る契約であれば、相続財産から差し引いてOKです。それ以上の場合は、差し引いて残った分を相続財産に加える必要があります。

 

(3)配偶者特別控除

もし、死亡された後に、奥さんか旦那さんが相続する場合には、1億6千万円までの相続財産について、差し引くことができます。奥さんや旦那さんがいれば使えるわけではなく、相続してもらうことが条件なので、注意が必要です。

一般的な家庭であれば、配偶者特別控除を使えば、とりあえず相続税で困ることはないでしょう。

 

3、税率を調べる

最後に、相続財産から控除額を差し引いて残った金額(課税対象額)に、税率を掛け合わせます。ただし、財産総額に税率を掛け合わせるわけではなく、法定相続分に応じて、それぞれ税額を掛け合わせます。

例にした方が簡単ですね。例えば、子供3人が相続する場合で、課税対象額が2億1,000万円だった場合には、法定相続分はそれぞれ1/3ですので、7,000万円ずつ相続すると見なして計算するのです。

財産額に応じて税率が変わってきますので、一覧表にしてまとめました。

 

A:相続税率の早見表

法定相続分に応ずる取得金額税率控除額
1,000万円以下10%0円
3,000万円以下15%50万円
5,000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1,700万円
3億円以下45%2,700万円
6億円以下50%4,200万円
6億円超55% 7,200万円

 

例えば、課税対象額が7,000万円だった場合には、1億円以下なので税率は30%、控除額は700万円ですから、

7,000万円 × 30% ー 700万円 = 1,400万円

という計算になります。子供が3人なら、これを3倍して4,200万円になるわけですね。

 

法定相続人を無視して計算すると、2,1億円×40%ー1,700万円=6,400万円となり、かなり計算が狂いますので、法定相続分はきちんと計算して按分してください。

法定相続分はこちらを参考にしてください。

 

B:法定相続分の早見表

法定相続分の早見表

 

奥さんと子供2人が相続する場合

とまあ、ここまで駆け足で解説してきましたが、何をどう使えばいいのかよくわかりませんよね。具体的に計算してみましょう。

 

例えば、奥さんと子供2人が相続するとして、相続財産が1億円あったとします。

自宅が7,000万円で、現金が3,000万円。

奥さんが家と1,000万円の現金の合計8,000万円分を相続して、子供2人が1,000万円ずつの現金を相続する場合を考えてみます。

 

①相続財産から、基礎控除を差し引く

まず最初に相続財産1億円から、基礎控除(3,000万円 × 600万 ×法定相続人3人分 =4,800万円)を差し引きます。

そうすると、残りは5,200万円ですね。

 

②法定相続分で相続したと見なして、とりあえず相続税額を出す

・奥さんの法定相続分は1/2:5,200万円 × 1/2 =2,600万円

*法定相続分は、上の表Bを参照

 奥さんの見なし相続税額:2,600万円 × 15% ー 50万円 =340万円

*相続税率は、上の表Aを参照

 

・子供さん1人の法定相続分は1/4:5,200万円 × 4/1 =1,300万円

 子供さんの見なし相続税額:1,300万円 × 15% ー 50万円 =145万円

 子供は2人なので、145万円 × 2人分=290万円

 よって、相続税額の合計は、630万円

 

③その上で、実際の相続分で割り振る

 奥さん:630万円 × 8,000万円/1億円 =504万円

 子供さん:630万円 × 1,000万円/1億円 =63万円

 子供は2人なので、63万円 ×2人分=126万円

 

④ここで配偶者特別控除を使う

 奥さん:1億6000万円までは無税なので、504万円分の税金はゼロ

 子供さん:そのまま使うので、各人が63万円ずつ支払う

 つまり、相続税額は、126万円

 

ということになります。

配偶者がいない相続の場合には、①〜③までの計算で完了です。

最後の計算はちょっと面倒でしたよね。お疲れ様でした。

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