2019年消費税10%の不動産への影響は?

消費税増税に反対 不動産の相場予測

2018年現在、東京オリンピックへの期待もあって「不動産が上昇している」というニュースをよく耳にしますよね。

でも、そうすると逆に「不動産を売るなら、オリンピック前の方がいいのでは?」とも思ってしまうのではないでしょうか?

 

しかし、それよりも前の2019年10月には消費税の10%増税が控えています。

増税前、オリンピック前のどちらが本当の売り時なのか? 迷っている人もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、2019年の消費税増税の影響について、過去の増税時の影響を見ながら予想していきたいと思います。

売り時、または買い時の参考にしてもらえれば幸いです。

過去の消費税の増税時はどうだったのか?

1989年に3%で消費税が導入されて以来、2度の増税がありました。

その前後の住宅の着工戸数の推移を見てみると、このようになりました。

 

消費税と新設着工住宅戸数の推移

(出典:国土交通省 建設着工統計調査)

 

1989年の導入時には、バブルの最盛期ということもあって、影響はほとんど見られませんでしたが、それ以降の1997年の5%、2014年の8%への増税時には、

「前年に駆け込み需要があって、その反動で増税した年には減少」

といったパターンが見られました。

 

長期のトレンドを見ると、減少傾向

短期的にみると確かにそのように動いていますが、もっと長い目で見てみると、増税とは関係なしに減少しているトレンドが見えてきますよね。

 

新設着工住宅戸数のトレンド

 

つまり、家が余ってきているので、家を建てる件数がどんどん減っているというトレンドです。

2013年時点で空き家率はすでに13.5%を超えていますので、よほどいい場所でなければ、新しく家を建てる必要はないのです。

 

駆け込み需要も今のところ確認できず

また、来年10月に増税ということであれば、前年に当たる今年は住宅の着工戸数が増えているのでしょうか?

今年の1〜4月の着工戸数は前年比でほぼマイナスなので、まだ駆け込み需要が起こっているわけでもなさそうです。

 

新設着工住宅戸数では、駆け込み需要は、まだ見られない

新設着工住宅戸数の月次推移

 

(出典:国土交通省 建設着工統計調査 月次)

 

過去の5%、8%の増税時には、増税月の13ヶ月前から、住宅着工戸数が前年比で5%以上増加する駆け込み需要の動きが見られました。

今回の10%増税でも同様の動きが見られるとすれば、今年の8〜9月頃から明確に着工件数の増加が見られるはずです。

駆け込み需要に合わせて売却を考えるならば、この13ヶ月間に間にあわせる必要がありますね。

 

過去2回の消費税の駆け込み需要は、13ヶ月前ごろから確認

過去の消費税増税前後の新設着工住宅戸数の変化率

 

(出典:国土交通省 建設着工統計調査 月次)

 

今回の増税で、不動産価格はどうなるのか?

過去の増税時の動きと、ここ最近の駆け込み需要の有無を確認してみましたが、今回はどうなっていくでしょうか?

私見ではありますが、「今回はあまり大きな駆け込み需要はないのではないか?」と予想します。その理由は2つあります。

  1. 都心部のマンションが高くて、手が出ない人が増えているから
  2. 郊外では安い建売住宅が作りづらくなっているから

 

1、都心部のマンション価格が高すぎて、手が出ない人が増えているから

東名阪の三大都市圏を中心に、2013年からマンション価格は3割も4割も上昇しています。そのため、マンションの販売戸数も2015年あたりからほぼ横ばいで推移しています。

マンション価格がここ数年で上昇しているため、手が出る人が少なくなっているからです。

 

マンションの販売戸数は、この2〜3年横ばい

マンションの販売戸数の推移

 

(参考:不動産経済研究所)

 

2、郊外では安い建売住宅が作りづらくなっているから

また、国や自治体が、行政のサービス範囲を狭めていくことで費用を減らしていこうとする「コンパクトシティ」政策として、「立地適正化計画」を作っています。

 

立地適正化計画のイメージ

立地適正化計画のイメージ図

 

市区町村の中に「都市機能誘導区域(赤色のエリア)」「居住誘導区域(青色のエリア)」の2つのエリアを設定し、それ以外の場所での開発を制限させていこうという動きです。

そのため、これまで農地を安く買い取って建売住宅を販売してきた業者も、郊外に家を立てにくくなっているのです。

 

駅前の中心部のマンションは高くなりすぎて、郊外では家を建てられにくい状況となれば、駆け込もうにも駆け込めません。

そのため、反動減となるような大幅な下落はないと思われます。

 

むしろ怖いのは、2020年東京オリンピックの後

それよりも怖いのは、東京オリンピック後ではないかと思います。

というのも、長期的な住宅着工件数の推移を見ていると、消費税の増税よりも、より大きな社会的なショックをきっかけに、大きく着工件数の水準を切り下げているからです。

 

金融危機のたびに着工件数の水準が切り下がっている

新設着工住宅戸数と金融危機

 

ご覧のように、それまでの着工件数の水準を切り下げる前には、大きな金融危機がありました。

  • 1991年:日銀が金融機関に「これ以上お金を貸すな!」と規制(総量規制)
  • 1997年:拓銀の破綻から始まった金融危機
  • 2008年:リーマンショック

社会的な混乱が起こった後には、前の水準まで戻ることがなかったのです。

 

では、次に来る金融危機とは一体なんなのか?

正直な話、金融危機は予想できませんが、確実に来る危機として、2025年問題が待っています。

2025年問題とは、

「団塊の世代(1947年〜1949年生まれ)が後期高齢者(75歳以上)になるため、医療費や介護費などの社会保障費が20兆円〜30兆円以上増え、現在の公的サービスが保たなくなるだろうと言われている問題。」

のことを指します。

 

<社会保障費の推移と将来の予想>

社会保障費の推移と予想

(出典:2040年を見据えた社会保障の将来見通し(内閣府) 社会保障費用統計(国立人口問題研究所)

 

年間に20〜30兆円も支出が増えるのであれば、消費税も10%どころでは済まないでしょうし、健康保険、介護保険の自己負担率もかなり跳ね上がっているでしょう。

しかも、家を買う若い人は減っているし、家は逆に余っているわけですから、住宅着工件数は大きく減少しているはずです。

結論

というわけで、この記事の結論は、

「過去の消費税の増税の影響を見ると、短期的な上下でしかなく、むしろ金融危機の方が大きな影響があった。

これから数年〜10年という長い目で見ると、2025年問題のような大きな危機が待っているので、売りたい人は早めに動くべきだし、買いたい人はもう少し待った方が良いのではないか?」

ということになります。あくまで私見ではありますが、参考になれば嬉しいです。

 

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こちらの記事で一括査定サービスのメリットや選び方を解説していますので、興味のある方は1度確認してみてください。

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